記者の必需品といえば、かつては「手帳」だった。スケジュール確認はもちろん、取材のメモには欠かせない道具だったのだ。
しかし最近はそうでもない。ノートPCを持ち運ぶ記者も多いし、タブレットに折りたたみ式のBluetoothキーボードをつないで使う記者もいる。そもそもちょっとしたメモならスマートフォンを使えばいい。タスク管理もスマホでできる時代なのだ。
……ということで、筆者も実は"手帳を持たないライター"であった。だってiPhoneとMacBookAirでだいたい事足りるんだもの。遠い過去を思い起こせば、学生時代は手帳を持っていたような気もしないでもないけど、少なくともスマホが定着してからは手帳をまともに使った記憶がないのである。
能率手帳が「NOLTY」という今どきっぽい名前になっていた
とまぁ、そんな感じですっかりデジタルな生活を送っていたところに、編集部からよりにもよって手帳のレビュー仕事の依頼がきたわけだ。えっ、いいの? 手帳使わないヤツが手帳のレビューとかしていいの?
根本的な疑問を抱きつつ、受け取った手帳は「NOLTY」。聞いたことないなと思ったら、元々は「能率手帳」というブランドだったのが、いつの間にか「NOLTY」という今どきっぽい名前に変わっていたのだった。ああ、能率手帳なら知っている。かなり有名な手帳ブランドだよね。
で、その「NOLTY」を受け取ったわけだけど……。
先ほど書いた通り、個人的にはもう長いこと手帳を使わない生活を送ってきたわけで、これまでの手帳と何が違うのか、みたいなことは書けない。
その代わり、「スマホばかりで手帳を使ってこなかった社会人が手帳を使うと何かイイことがあるのか?」という視点では何か書けることがあるかもしれない。というか、むしろ皆が知りたいのはそっちじゃないか。手帳に関してすでに確固たるポリシーを持っている人は、ちゃんとメリットも把握しているし、自分で選べるだろうしね。
長々と書いてしまったけど、とにかくそんな感じで、ものすごく久しぶりに手帳を使う生活を送ってみたのだ。
気になる手帳の概要は
こちらが筆者が受け取った「NOLTY」。見ての通り、表紙はとてもシンプルだ。2014という年次の箔押しがある以外は、文字もイラストもロゴも何も入っていない。なんだったら「NOLTY」であるということすら見た目からはわからないレベルだ。元々の「能率手帳」というブランド力に自信があるからこそできるデザインだろう。
ページをめくると、まずは年間のカレンダーがついている。2014年が1ページ分、その横に2013年と2015年がそれぞれ半ページずつだ。土日祝日は青と赤で色分けされており、ページ下部には祝日の名前一覧がまとめられているなど、見やすいレイアウトになっている。
続いても同じく2014年カレンダーだが、今度は各月を縦に並べたもので、これは4ページにまたがって続いている。個人的には先ほどの1ページにまとまっているカレンダーの方が好きだけど、これは好みによって使い分けるといいだろう。ちなみに縦カレンダーの方にはすべての日に「仏滅」とか「大安」といった表示がついているのが便利だと思った。
そこからはいよいよ各月のカレンダーがスタートするわけだが、特徴的なのは各月ごとの間に2ページのノートページが挿入されていること。ここはどう使おうと自由なので、各月のスケジュールの補足を書き込むなり、メモ欄に使うなりすればいいわけだ。スマホのカレンダーアプリにはこういう大きな余白がないので新鮮だった。
そんな感じで2014年の12月まで進むと、その後は最後までずっとノートページが続いている。ここは白紙ではなく、方眼罫になっている。何でも従来は横罫だったらしいが、「NOLTY」になったときに変更されたらしい。
さて、1週間ほど「NOLTY」を使ってみた。今までスマホでしかスケジュール・タスク管理、メモなどをしてこなかった筆者だが、使ってみると紙の手帳ならではの良さが見えてきた。具体的に何が良かったのかを挙げてみよう。