日本銀行は11日、2014年2月のマネーストック速報を発表した。それによると、現金通貨や預金通貨などを合わせた指標「M3」の平均残高は前年同月比3.2%増(前月3.5%増)の1,172兆9,000億円となった。伸び率は前月比0.3ポイント減と2カ月ぶりに縮小し、6カ月ぶりに残高が減少した。
M3の内訳を見ると、現金通貨は前年同月比3.4%増(前月3.4%増)の81兆5,000億円、預金通貨は同5.7%増(同6.3%増)の492兆2,000億円、準通貨は同1.0%増(同0.9%増)の564兆2,000億円、CD(譲渡性預金)は同4.6%増(同6.4%増)の35兆円となった。預金通貨の伸び率が2カ月ぶりに縮小したことが、「M3」の伸び率の縮小に影響した。
M3からゆうちょ銀行への預金を除いた「M2」は前年同月比4.0%増(前月4.3%増)の861兆3,000億円。M3に投資信託や国債、外債などを加えた「広義流動性」は同4.0%増(同4.4%増)の1,529兆8,000億円だった。
マネーストックは、通貨保有主体が保有する通貨量の残高(金融機関や中央政府が保有する預金などは対象外)が基本となる。通貨保有主体の範囲は、居住者のうち、一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業が含まれる。このうち、一般法人については、預金取扱機関、保険会社、政府関係金融機関、証券会社、短資等を除く法人となる。なお、速報値は後日修正される場合がある。