第37回日本アカデミー賞の授賞式が7日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、俳優の松田龍平が『舟を編む』で最優秀主演男優賞を受賞した。
これまで、第23回(2000年)に『御法度』で新人俳優賞、第35回(2012年)に『探偵はBARにいる』で優秀助演男優賞を受賞した松田。優秀主演男優賞を4度受賞した父・優作ですら手の届かなかったことだが、授賞式後の囲み取材では「(父に並べたという思いは)ないです。ずっと背中を追いかけてるんだなと感じます」と終始淡々。「僕が特別なことをしたという気持ちは全くなくて、本当にスタッフ、キャスト、監督のおかげだなと感じています。まさか、いただけるとは思ってなかったので。幸せです」と感謝の言葉を述べた。
最優秀主演賞の発表前、司会の樹木希林から「役者としてお父さんの影響はありますか?」と問われた松田は「ありますね。うまく言葉にできないですけど、目指してるところはあります」と返答。受賞のスピーチでは、「うれしいです。光栄です」と照れ笑いを浮かべ、「大島渚監督の『御法度』で新人賞をいただいて、それからこうやって主演男優賞をいただいて…僕の親父を好きだった人に期待されてるなと。いろんな方の影響を受けながら自分のやれることを見つけていけたらいいなと。ありがとうございます」と一語一語、絞り出すように思いを語った。
日本アカデミー賞は、1978年4月6日の第1回から毎年開催されている映画賞。37回目を迎える今回は、『舟を編む』が作品賞をはじめ6部門で最優秀賞を受賞。また、女優の真木よう子が主演女優賞と助演女優賞で最優秀賞を獲得した。