スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「手ぶれ補正」についてです。
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静止画や動画を撮影するとき、カメラを支える手の震えにより「手ぶれ」が生じることがあります。撮影時の姿勢である程度防ぐことはできますが、カメラを完全に静止することは難しく、注意していても手ぶれを起こしてしまいがちです。
そこで開発されたしくみが「手ぶれ補正」です。物理的にレンズを動かし光が通る位置(光軸)を調整する「光学式」と、ソフトウェア的な手法でぶれを除く「電子式」という2つの方式に大別でき、撮像素子の情報をあまさず利用でき画質を損なわない点では光学式が、複雑なメカを搭載せずに済むため小型化/低消費電力化に貢献するという点では電子式が有利とされます。
現在販売されているスマートフォンもかなりの割合で内蔵カメラに手ぶれ補正機構を装備しており、光学式と電子式のどちらか、あるいは両方式を併用する形で手ぶれ補正を実現します。たとえば、AQUOS PHONE(203SH)には光学式の手ぶれ補正機構にくわえ、ISO感度と露光時間を調整しシャッタースピードを速めることで手ぶれを軽減する電子式手ぶれ補正機構が用意されています。
ところで、イメージセンサーの多画素化が著しいスマートフォンでは、補正データの増大により演算処理能力が指摘されています。そのため、光学式手ぶれ補正機構を採用する端末が増える傾向にあり、専用ICの性能向上も続いています。激しい競争が続くスマートフォンの分野において、カメラ機能は特に重視されていることもあり、今後の技術革新が期待されます。
(記事提供: AndroWire編集部)