オリコンは3月6日、著作権法および違法ダウンロードについて行ったアンケート調査結果を公表。「違法ダウンロードは刑事罰の対象」との認識が2013年調査の48.5%から66.8%に上昇したとしている。

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映画館での啓発映像が認知度上昇に大きく寄与

調査は2010年1月1日に著作権法が改正・施行されたのを契機に、同年より毎年行っているもので、今回で5回目の実施となる。調査対象期間は2014年1月31日~2月5日で、調査対象者は10~40代の男女1,000名。

著作権法が2010年1月1日に改正・施行され、著作権を侵害した配信であることを知りながら、権利者に無断で音楽や映像をダウンロードする行為が違法となっており、同調査ではこの点を継続して調査している。さらに、2012年6月の改正(施行は10月)により、刑事罰(2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科せられる)の対象ともなっており、今回(2014年実施)と前回(2013年実施)のアンケートでは、この点について調査が行われた。

調査によれば、違法ダウンロードが刑事罰の対象となったことについて「知っていた」との回答が、2013年は48.5%だったのに対して、2014年は66.8%に上昇(【図1】参照)。世代別でも、10~40代全ての層で2013年より認知率が上昇している(【図2】参照)。

左:【図1】違法ダウンロードが刑事罰の対象となったことの認知率(10~40代総合)、右:【図2】認知している人の割合(世代別)

世代別の結果からは10~20代において上昇が大きく、この点に関して織り込んでは「世代別の中でも特に啓発活動を行わなければならない世代の認知が特に上がったことは、この1年の成果」と分析。また、認知上昇に貢献した手段は、2013年調査でトップだった「インターネットWEBサイト」に代わって「映画館のCM」が33.1%でトップになった(【図3】参照)。

【図3】著作権改正・施行の認知経路

刑事罰化について知っているとの回答者に対して、その意見・感想を尋ねた(自由回答)ところ、「当然」「妥当」との賛同的なコメントが約55%と過半数を占めた。一方で「厳しすぎる」「罰が重すぎる」「規則があっても違法はなくならない」という否定的なコメントは約15%に留まっている。そのほかには、「もっとわかりやすい周知徹底が大事だと思う」「違法と知らずにダウンロードしてしまった場合はどうなるのか」など、今以上に認知拡大を求める声や、実際の運用に対する不安を示す声も挙がった。

今後の違法ダウンロード意向も調査 - 利用意向者は6.8%

調査では、昨年1年間で回答者が実際に違法ダウンロードを経験したかどうかも尋ねた。これによれば「経験無し」が88.2%と9割近い水準を示すものの、2013年調査の89.3%とほぼ同水準に留まり、90%超えはならなかった(【図4】参照)。世代別では、20~40代で「経験有り」が多少なりとも上昇を示した一方で、2013年調査まで頭ひとつ抜けて高かった10代の違法ダウンロード経験者が、2013年調査の21.7%から16.5%まで低下した(【図5】参照)。

左:【図4】昨年1年間での違法ダウンロード経験の有無(10~40代総合)、右:【図5】昨年1年間で違法ダウンロードを行った経験のある人の割合(世代別)

調査ではさらに、「今後、違法配信をダウンロードすると思いますか」との質問も行った。これによれば、「ダウンロードしないと思う」が75.3%で、2013年調査に続き2年連続で70%台を記録(【図6】参照)。それに伴い「ダウンロードすると思う」と「ダウンロードするが、以前よりはダウンロードする回数/作品数は減ると思う」を合わせた割合は6.8%で、2013年(8.7%)に引き続き1桁を維持している。

【図6】「今後、違法配信をダウンロードすると思いますか」(青:「ダウンロードすると思う」、赤:「ダウンロードするが、以前よりはダウンロードする回数/作品数は減ると思う」、緑:「ダウンロードしないと思う」、紫:「まだわからない」)