帝国データバンクは5日、2014年2月の景気動向調査の結果を発表した。それによると、2月の景気動向指数(以下、景気DI)は前月比0.4ポイント減の49.6となり、2013年6月以来8か月ぶりに悪化した。
同社は、国内景気について「先行きへの不透明感が感じられるなかで悪天候要因も重なり、一時的に足踏み状態となった」と分析している。
2月は、円高の動きが一服し、株価も概ね安定した動きとなったものの、企業の間で消費増税後の需要回復に対する先行き不透明感が出ていた中、大雪による悪天候で来店客が減少し、消費関連業界が悪化。また、企業規模別では8カ月ぶりに全規模が悪化し、中でも「小規模企業」は価格面で収益環境に厳しさが見られたという。
地域別の景気DIを見ると、10地域中7地域で悪化し、8か月ぶりに広範囲に及んだ。主な地域では、10業界中4業界が悪化した「北海道」は前月比0.9ポイント減の50.0と2カ月連続の悪化。「九州」は同0.7ポイント減の50.8と8か月ぶりに悪化。他方、自動車関連が好調な「東海」は同0.9ポイント増の51.6と8カ月連続で改善し、2011年8月以来30カ月ぶりに10地域中1位となった。
業界別に見た場合、「卸売」「運輸・倉庫」「サービス」は8カ月ぶり、「不動産」「小売」は4カ月ぶり、「金融」「建設」「その他」は2カ月連続で悪化し、10業界中8業界が悪化。一方、「農・林・水産」は改善、「製造」は横ばいとなった。
このうち、「小売」は前月比0.9ポイント減の43.8。大雪の影響で週末の客足が減少したことに加え、ガソリンスタンドにおける厳しい価格競争や飲食料品における中食販売の不振が影響した。「サービス」は同0.5ポイント減の51.8。天候不順が影響した"旅館・ホテル"や建設等の活動停滞が響いたが、"人材派遣・紹介"は高水準を維持するなど、「サービス」全体では「建設」に次いで10業界中2位となった。
企業規模別では、大企業は前月比0.3ポイント減の53.0、中小企業は同0.5ポイント減の48.6、小規模企業は同0.9ポイント減の48.2となり、8カ月ぶりに全規模で悪化。このうち、「小規模企業」は仕入れ単価DIが5カ月連続で上昇する一方、販売単価DIが低下するなど、収益環境が厳しさを増し、特に"不動産"で顕著だった。
今後については、「消費税増税後の落ち込みへの対策や新成長戦略の効果次第という面があるものの、国内景気は緩やかな上昇基調が持続するとみられる」と予想している。
調査期間は2014年2月18日~28日、調査方法はインターネット、有効回答企業は1万544社。