今後の成長に向けて製品ブランドも一新
昨年実施した製品ブランドの一新は、ビジネス規模が大きくなり、統一感が損なわれてきたことが背景にあるという。
「コンシューマ向けのRetail、法人向けのCommercial、キャリア向けのSPという3つの事業部がある。以前は1つだったが、それぞれの事業が拡大するにつれて、事業ごとに異なるカラーがついてきた。それを統合する意味があった」(マクヒュー氏)
ロゴの変更にくわえ、昨年は、ストレージラインについてコンシューマ向けからミッドレンジ製品まで、デスクトップ型からラックマウント型までのブランドを刷新した。
ストレージ製品については、シンプロビジョニングや重複排除などのほか、クラウドベースのブロックレベルレプリケーション機能など、「ローカルとクラウドを組み合わせたハイブリッドなソリューションを提供している点がユニークだ。これからももっと展開していきたい」(マクヒュー氏)という。
また、ワイヤレスソリューション、スイッチ製品についてもそれぞれ新ブランドの製品を投入した。「機能が向上し、ユーザビリティが上がった。今後1-2年の当社の成長を支えるリニューアルだ」(マクヒュー氏)と話す。
今後の製品展開としては、顧客のニーズに対してタイミングよく製品を提供していくことが大きなテーマだ。
まず、スイッチについては、中長期的には40ギガビット対応製品を視野に入れながら、ラインアップの拡充を図っていく。スイッチ製品は現在、上位機種の「マネージスイッチ」、SMB環境に最適化した「スマートスイッチ」、基本機能で構成する「アンマネージスイッチ」、基本機能に管理機能を加えた「アンマネージプラス・スイッチ」の大きく4カテゴリを展開する。「この4つのカテゴリのなかで、顧客の7年のリプレース期間をよく見計らって、40ギガビット対応製品を提供していく」(マクヒュー氏)という。
ゴールは成長、高まるニーズに適切にこたえることが大切
また、ワイヤレス製品については、今まで以上に無線LANコントローラに力を入れていく。
「IoTという言葉に象徴されるとおり、今後はさまざまな機器がインターネットにつながるようになる。そうした時代においては無線LAN環境の整備が必須。コストパフォーマンスの高い当社の無線LANコントローラは、企業の規模を問わずに重宝されるはず。特に日本国内でも導入実績の多い当社のPoE対応製品群と組み合わせることで、アクセスポイントの設置エリアを広げられることからニーズは高いだろう」(マクヒュー氏)
こうした新しいITトレンドに対応するような事例も出始めている。マクヒュー氏は、中国のヘルスケア分野での同社の導入事例として、ある病院が患者の情報と移動の記録を自動的に管理できるシステムを構築し成果を挙げていることを紹介する。
「この病院では、RFIDとWi-Fiを利用して、患者の容態や院内外での移動の状況をモニタリングしている。さまざまな医療情報と移動の記録を統合して管理することで、医療ミスを防ぐとともに、事務を効率化した。さまざまな機器がネットワーク化するなかでこうした事例は今後増えていくだろう」(マクヒュー氏)
今後の販売目標など、具体的な数字目標を達成することは特段意識していないという。マクヒュー氏は「ゴールはあくまで成長。そのためには今後高まるネットワークやストレージのニーズに適切にこたえることが大切だ。今年は、10ギガビット対応スイッチとNASを組み合わせた『10ギガビットソリューション』、PoE対応無線LANコントローラとアクセスポイントを組み合わせた『無線LANソリューション』に力を入れていきたい」と語り、引き続きユーザーの声に耳を傾けながら、求められるソリューションを提供していく方針を明かした。