JR東日本は4日、山形新幹線「つばさ」車両のエクステリアデザイン変更と、E3系を改造した「とれいゆ」の運転開始について発表した。ともにデザインは奥山清行氏(山形県出身の工業デザイナー、「KEN OKUYAMA DESIGN」代表)が手がけた。
山形新幹線「つばさ」は現在、「新在直通運転」が可能なE3系1000番台・2000番台を使用し、おもに東京~山形・新庄間で運転されている。
「つばさ」車両のデザイン変更は、6月からの「山形デスティネーションキャンペーン」(山形DC)に合わせ、山形新幹線の魅力向上を目的に実施する。山形県の県鳥にちなんだ「おしどりパープル」のラインをあしらい、帯の色は山形県の県花にちなんだ「紅花レッド」「紅花イエロー」のグラデーションで表現。蔵王の雪の白をイメージした「蔵王ビアンコ」と合わせ、「山形の彩り豊かな自然の恵みと新幹線の持つ躍動感」を表したという。
シンボルマークは4種類用意され、東京側と山形・新庄側の先頭車にそれぞれ掲出される。東京側は春を現す「桜」「ふきのとう」と、夏を表す「紅花」「サクランボ」をデザインしたシンボルマークを配置。山形・新庄側には、秋を表す「稲穂」「りんご」と、冬を表す「蔵王の樹氷」をデザインしたシンボルマークを配置する。
エクステリアデザインを変更した「つばさ」は、4月下旬頃から運用開始。2016年度末をめどに、全編成の塗装変更を完了する予定としている。
足湯に湯上りラウンジ、温泉街のような室内空間の「とれいゆ」
「とれいゆ」は、新幹線車両では初の「乗ること自体が目的となる列車」で、E3系を改造した6両編成(11~16号車)となる。
エクステリアは、最上川にちなんだ「もがみブルー」を車体前面に配し、側面は「つばさグリーン」の帯と、月山にちなんだ「月山グリーン」、蔵王の白をイメージした「蔵王ブライト」で、円弧のラインを用いた特徴的なデザインとなり、沿線の美しい山々を表現した。
車内は11号車が普通車指定席、12~14号車がお座敷指定席(語らいの間)、15号車が湯上りラウンジ(モノや人との出会いの間)、16号車が足湯(くつろぎの間)となり、沿線の「食」「温泉」「歴史・文化」「自然」を温泉街のように楽しめる空間に。16号車では紅花色の湯船が2槽配置され、足湯でくつろぎながら車窓を眺める旅を演出するという。
「とれいゆ」の営業運転開始は7月以降の予定で、具体的な運転日については、「改めてお知らせします」とのこと。福島~新庄間を中心に、臨時列車として土休日など年間120日程度の運転を予定している。