トレンド総研はこのほど、ブログの「グルーピング」現象に関するレポートを発表した。同レポート内で商品ジャーナリストの北村森氏は、ブログは最近、不特定多数に向けた単なる「情報発信メディア」としてではなく、読み手と書き手の「コミュニケーションツール」として活用する人が増えていると指摘。その流れの中で、話題が合う者同士がつながりだし、同じ属性が集まる「グルーピング」現象が起きているとしている。こうしたニーズの高まりを背景に、「女子中高生向け」「ママ向け」「中高年向け」など、同じ属性のブロガー同士を集めた「グルーピング型」のブログサービスが登場しているという。
10代~60代の男女500名(個人ブログのアカウントを持ち、定期更新している人限定)を対象に行った「ブログを通じたコミュニケーション」についての調査(調査期間2月10日~2月13日)では、「ブログを通じて、読者とコミュニケーションをとることはありますか? 」の質問に対し、「よくある」(21%)、「たまにある」(54%)と合わせて75%のブロガーが日常的に読み手とコミュニケーションを取っている判明。続いて、「読者とのコミュニケーションは、ブログを続ける上で楽しみの1つだと思いますか? 」との問いには86%が「そう思う」と回答。年代や性別ごとに見ても「そう思う」との回答が8割前後になっており、ブログ読者の属性は61%が「自分と同じ属性(年齢・性別・職業)の人」と答えている。加えて自分が閲覧するブログも、「自分と同じ属性の人」と58%が答えている。
最近では、プロフィールや写真、背景デザインなどをカスタマイズしてオリジナルブログが作成できる女子中高生向けのスマートフォンサービス「Candy」、「アメブロでママがつながるコミュニティ」をコンセプトとした「Ameba ママブロ」が登場。さらには、"おとなのための趣味交流サイト"である「趣味人倶楽部」(しゅみーとくらぶ)は、旅行をはじめとした趣味に関する日記を書いたり、イベントを主催したりとユーザ同士の交流が楽しめる。
ブログが急速に広まっていったのは2000年半ばころ。ユーザはその後に登場したツイッターやFacebookとうまく使い分けをしているようだ。北村氏は、「グルーピング型のブログサービスが人気を集めることで、ブログの活用法は今後さらに幅広いものになっていくのではないだろうか」としている。