新しい「首都直下地震の被害想定」の内容を知る人は4割未満

建設業界に特化した技術系人材派遣・人材紹介サービスを行うエヌ・アンド・シーはこのほど、「首都直下地震と防災・減災対策に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2月1日~2月4日、20~59歳の関東在住のビジネスパーソンを対象としてモバイルリサーチにより実施。2,000名の有効サンプルを得た。

首都直下地震による新被害想定の認知率は約4割、認知率に男女差

2013年12月19日、政府の中央防災会議(首都直下地震対策検討ワーキンググループ)から、新しい「首都直下地震の被害想定」(いわゆる新被害想定)が発表された。全回答者に「その内容を知っているか」を聞いたところ、「知っている」は38.0%で、認知率は約4割にとどまった。男女別に認知率をみると、男性42.6%、女性33.4%となり、特に女性の認知率が低いことがわかった。

勤務先の半数は耐震性や耐火性対策が行われていない

「自宅や勤務先が新耐震基準を満たしているか」を聞いたところ、自宅、勤務先ともに「わからない」(自宅41.6%、勤務先49.8%)が最も多かった。次に、「勤務先での防災対策」について聞いたところ、対策が「行われている」割合は、「防災グッズの用意」では58.3%、「耐火性確保」は52.7%、「耐震性確保」は47.8%だった。揺れを感知して自動的に電気を遮断する「感震ブレーカーの設置」は27.9%に止まった。

首都直下型地震対策のための増税、平均8,000円まで負担してもよい

2013年12月4日、国土強靱化基本法が成立し、「首都直下型地震や南海トラフ地震など将来想定される大規模災害に備えるために日本全体の防災・減災力を高めること」などを目指した取り組みが推進されようとしている。

救難活動車両や物資支援体制などを求める声が高い

そこで、「日本全体の防災・減災力を高めるために、国土強靭化では何を重点的に取り組んで欲しいか」を聞いたところ、「救助活動に必要な装備(車両等)の整備・高度化」67.0%が最も多く、次いで「災害時でも食料を安定供給できる体制の構築」61.7%、「非常時の情報伝達手段の確保」60.8%などとなった。

災害対策は大切でも自分は1円も出したくないという人が1割以上

次に、「首都直下地震対策(耐震化・出火予防・防災・減災等)の予算確保のために増税される場合、年額いくらまでなら負担が可能か」を聞いたところ、「0円」11.5%、「1円~1,000円」20.6%、「1,001円~5,000円」24.8%と、「5,000円以下」が半数以上となった。しかし、「5,001円~10,000円」の回答も24.6%と4人に1人の割合となり、「10,001円~30,000円」は10.7%、「30,001円以上」は7.9%で、平均は8,348円だった。男女別に、負担可能な金額(年額)の平均をみると、男性では7,682円、女性では9,003円と女性の方が高くなった。

また、現在人手不足が報じられている建設業界だが、「人材不足解消にはどのようなことが必要だと思うか」を聞いたところ、「給与水準を上げる」68.2%が最も多く、次いで「安全・健康に働けるように取り組む」56.4%、「長時間労働を抑制する」49.2%、「福利厚生を充実させる」48.1%が続いた。