1年で最も携帯電話の新規加入者が増える、春の商戦期が近づいている。携帯通信キャリアの大手3社では、今年も学生を対象にした学割キャンペーンを展開中だ。年々、激しさが増しているのがその中身。今年は学生本人だけでなく、家族の料金まで割り引かれるのが特徴となっている。まずは本稿で、各社のキャンペーン内容をおさらいしていこう。
3社のキャンペーン内容を比較
3社の学割で共通しているのは、対象となる学生が学割を利用すると、同時に契約したその家族も割引の恩恵を受けられるという点。具体的には、基本使用料が一定期間無料になる。NTTドコモの学割では「タイプXi にねん」(743円/ 月)が3年間無料に、KDDI(au)の学割では「LTEプラン」(934円/ 月)が3年間無料に、ソフトバンクの学割では「ホワイトプラン」(934円/ 月)が3年間無料になる。ただしKDDI(au)とソフトバンクの場合は、対象となる家族がMNPで契約する必要がある。新規契約だと、無料期間は1年間となる。
また、学割キャンペーンと絡めた施策も用意されている。NTTドコモの「学生家族いっしょ割」は、機種変更した家族の基本使用料を1年間無料にするもの。ソフトバンクの「学生家族まるごと割」は、購入する端末の価格が割引される。一方、KDDI(au)では25歳以下の利用者とその家族を対象に「U25家族セット割」を提供。購入する端末の価格を割り引く。各社とも、割引される対象者をその家族にまで拡大しているのがお分かりいただけるだろう。
学生本人にも嬉しい特典が
利用料金が下がることは、学生の家族にとっては嬉しいことだ。では、学生本人にとって嬉しい特典は用意されているだろうか。NTTドコモでは「dビデオ」(月額500円)、「dアニメストア」(月額400円)など2つのサービスに加入した学生を対象に、データ量の上限を3カ月間だけ1GB増量する。KDDI(au)ではコンテンツサービス「auスマートパス」の月額情報料(月額372円)を2014年12月分まで無料にする。デジタルコンテンツなどを心ゆくまで楽しめる、こうしたプログラムが学生本人にとっては一番嬉しい特典と言えそうだ。
dビデオは、月額500円で国内外の映画、ドラマ、アニメ、音楽など約18,000タイトルが見放題になるサービス。スマートフォンだけでなくタブレット端末、テレビ、PCでも利用できる。スマートフォンに作品をダウンロードしておき、電波の入らないところで試聴することも可能だ。また、最新作や話題作もレンタル(個別課金)で楽しめるようになっている。
auスマートパスでは動画や雑誌といった豊富なコンテンツに加え、アプリが取り放題になるほか、セキュリティやクラウドといったサービスの利用も可能になる。2014年1月28日より順次、受験や卒業、新生活などの学生生活を応援する、学生向けのキャンペーン「学生LUCKY」を展開しており、"きゃりーぱみゅぱみゅ合同卒業式"や"進撃の巨人のスマホ向けコンテンツ"など、学生に人気の高いアーティストやコンテンツとの取り組みを多く用意しているのも特長だ。その他、「映画がおトクに見られる」「人気コンビニスイーツのクーポンを得られる」など、学生の日々の生活に役立ちそうな特典も充実している。こうした特典が無料で使えるのは、学生本人にとって利用料金の割引以上に嬉しいものと言えるだろう。
学割キャンペーンの内容が高い水準で均一化しつつある今年、追加で受けられるサービスの中身で各社のメリットが分かれてきそうだ。学割キャンペーンの提供期間は、3社とも6月1日まで。料金の割引だけでなく、受けられるサービスでキャリアを選ぶのもひとつの方法かも知れない。
(執筆:大石はるか)