東芝は26日、「JEDEC UFS Version 2.0」および「JEDEC UFS UME Version 1.0」に準拠した、世界最高速のUFSメモリコントローラを開発したと発表した。同コントローラを内蔵した組み込み式NAND型フラッシュメモリは、eMMCに比べランダムリード性能で約10倍の性能を達成したという。
従来のコントローラ内蔵組み込み式NANDフラッシュメモリでは、処理に必要なデータをコントローラ内部に収納すること難しく、ホストからのデータ読み出し要求時には、NAND型フラッシュメモリからその都度処理に必要なデータを読み出していた。
今回開発された新型コントローラは、「JEDEC UFS Version 2.0」と共に規格化された「JEDEC UFS UME Version 1.0」にも準拠することで、処理に必要なデータの一部をホストDRAMに配置し、NAND型フラッシュメモリから読み出す回数の削減に成功。これにより、ホストからの読み出し要求処理時間を従来の半分に削減した。
さらに、ホストから受け取ったデータ読み出し要求を高速処理する新設計のハードウェアエンジンにより、従来の処理方式と比較し最大2倍以上の高速化を実現した。これらにより、4KBのランダム読み出し性能として、60kIOPS(Input/Output Per Second、1秒間の読み書き回数)以上を達成。これは従来規格の「eMMC Version 5.0」準拠製品と比較して約10倍という。
東芝では、この新型コントローラを内蔵した組み込み式NANDフラッシュメモリを使用することで、反応速度の改善やアプリケーション起動時間の短縮、複数アプリケーション同時動作時のストレス改善など、スマートフォンやタブレットの体感性能が改善できるとしている。サンプル出荷は2014年前半の予定。