大和証券グループはこのたび、アジア・太平洋地域における水関連事業に活用するためにアジア開発銀行(以下ADB)が発行する『ウォーター・ボンド』の販売を開始した。
ADBでは、統合的な水資源管理に向けたビジョンを「Water for All(すべての人々に水を)」として政策にとりまとめ、また、水問題に対処するための資金需要が国際的に高まっていることを受けて、「ウォーター・ファイナンシング・プログラム(水融資プログラム)」を策定しているという。2013年、ADBは通常資本財源からの公共セクター融資を通じ、85件の水関連事業に対して約7億8300万米ドルの投融資を実行。2014年から2015年にかけて、ADBの水関連事業への新規投融資総額は63億米ドル程度と見込まれているという。
ADBは2010年4月、初のウォーター・ボンドを日本の投資家を対象に発行し、6億3800万米ドル相当(約604億円)を調達。ADBはこれまでに、総額11億米ドルを超えるウォーター・ボンドを発行しているという。このたびの起債にあたっては、大和証券が売出しを行い、日本の個人投資家および法人投資家に販売するとしている。ADBでは、同債券発行による資金調達額と少なくとも同額を、アジア・太平洋地域の加盟途上国における水関連事業に拠出する予定だという。
水に関する問題は多様な側面を持っており、経済成長の大きな阻害要因にもなっているという。日本の投資家は、ADBが発行するウォーター・ボンドへの投資を通じて、アジア・太平洋地域における水関連事業を支援することが可能となり、ひいては貧困削減に貢献するとしている。
大和証券グループでは、社会的課題を投資により解決することを目指すインパクト・インベストメントを積極的に手掛けており、ウォーター・ボンドの販売はその取組みのひとつとしている。