帝国データバンクは25日、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの開発・製造会社であるイー・エル・テクノ(福岡県・福岡市)が、19日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けたと発表した。負債は約13億9,300万円。破産管財人は卜部忠史弁護士が担当する。

同社は2010年4月、有機ELの開発を手がけていたエスケイ・ディスプレイ(岐阜県・安八町)の元技術者が中心となり設立。発光ダイオード(LED)に続く次世代照明として注目される、有機EL照明パネルの成膜工程からモジュール組み立てまで一貫して製造する事業を計画し、地場を含む大手企業や投資ファンドなどからの出資や、国や基金などからの助成金を得て、2011年10月に約15億円を投じて熊本県合志市に工場を設置した。

同工場では、将来的な量産を視野に2012年3月から試作品の製造を開始したものの、2013年3月期の年売上高は試作品や研究開発支援に伴う収入の約6,000万円にとどまるなど、計画進捗の遅れが表面化。研究開発費がかさみ、大幅な経常欠損を出していた。2013年秋口からの量産本格化を目指していたが、設備投資に伴う有利子負債が重荷となり、資金繰りが悪化。追加出資の見通しも立たず、今回の措置に至った。