NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』が25日、NHK大阪放送局でクランクアップを迎え、主演の杏ら主なキャストが記念のセレモニーに出席した。
およそ9カ月にもおよんだ収録のラストカットは、ヒロインのめ以子(杏)や義母の静(宮崎美子)、義妹の希子(高畑充希)ら西門家の面々が、一家の念願だったある夢の実現に向けて相談をするシーン(3月25日放送)。カットの声がかかっても、アドリブでコミカルな演技を続ける杏にキャストやスタッフから笑いが起こるなど、なごやかなムードで収録は進んだ。本番終了後のクランクアップ・セレモニーでは、杏から共演者たちに花束を贈呈。杏は宮崎や高畑、長女・ふ久役の松浦雅らとしっかりと抱き合って互いの労を労い、晴れやかな笑顔を見せた。
会見でクランクアップを迎えた今の心境を聞かれた杏は「終わったというあまり実感ないんです。『明日の収録の入り時間は何時かな?』とか『セリフの確認をしないと』と思っちゃうぐらい。この後、東京に戻ったら、もしかすると放送が終わったら、改めて実感が沸いて寂しくなるのかなと思います」とコメント。「一生の中でかけがえのない時間を過ごせたと思いますし、ほかの人生を生きられたのは素敵な体験でした」と収録を振り返った。
現在、「ごちそうさん」では戦中の混乱期、家族のために奔走するめ以子を描いているが、最終回を迎えるころには戦争も終わり、め以子は四十代のたくましい母親となっている。誰よりも食いしん坊で、真心込めた料理で人との絆を結んできたヒロインに、杏は「め以子が今も生きていて、新しいお菓子とか料理を作ったり食べたりしているといいなと思います」と思いを馳せていた。
なお、「ごちそうさん」は3月29日(土)まで放送。4月19日(土)にはNHK BSプレミアムにて、スピンオフドラマ「ごちそうさんっていわしたい!」が放送されることも決定している。本編の物語の1年後、西門家の長男・泰介(菅田将暉)の初恋を巡り、め以子らが繰り広げるコメディードラマで、杏をはじめ、夫・悠太郎役の東出昌大など主要キャストのほか、俳優としても活躍しているお笑いタレント・千原せいじが出演する。