2月13日から16日まで神奈川県・横浜市のパシフィコ横浜で開催された、カメラと映像の展示会「CP+2014」。EIZOブースで目にしたキーワードは「写真」「プリント」「カラーマッチング」だ。実際の製品を使ったセミナーや、写真家のトークショーも行われ、熱心な来場者が絶え間なく訪れていた。
EIZOブースの展示は、カラーマネジメントに対応した液晶ディスプレイ「ColorEdge」シリーズが中心。CP+2014はカメラ主体の展示会ということで、EIZOブースの来場者も、液晶ディスプレイや写真プリントの品質に一家言ある人が多い。
ColorEdgeには3シリーズあり、ハイエンドの「CG」シリーズ、ミドルレンジの「CX」シリーズ、エントリーの「CS」シリーズだ。それぞれ、液晶ディスプレイ単体のほか、高機能なカラーマッチングソフト「ColorNavigator」セットモデル、およびColorNavigatorと専用センサー(画面の色を測るキャリブレーター)「EX2」のセットモデルを用意している。ブースではColorEdgeシリーズのモデルが一通り展示され、実機を見ながら説明員の話を聞き、比較できるようになっていた。
実機とともに人気だったのは、ColorEdgeシリーズの実機、ColorNavigator 6、専用センサー「EX2」を使ったカラーマッチング体験コーナーだ。ColorNavigator 6とEX2で液晶ディスプレイをキャリブレーションする手順のほか、実際に印刷したものと画面の色を比較する。
カラーマッチング体験コーナー(写真左)。専用センサー「EX2」で画面の発色を計測し、目的の色温度や輝度になるように自動で調整(写真中央)。印刷物の色と画面の色をできるだけ正しく比較するために、スタンド型の高演色蛍光灯が設置されていた(写真右) |
「色」をチェックするには環境光が重要なので、高演色タイプの蛍光灯で印刷物を照らしていた。高演色蛍光灯は、太陽光のスペクトルに近い明かりを再現でき、画面と印刷のカラーマッチングには必須ともいえる機材だ。EIZOでは、スタンド型の高演色蛍光灯もラインナップしている。
余談だが、環境光(ホワイトバランス)が異なると、画面や印刷物の色はまったく違って見えてしまう。人間がそれを感じないのは、無意識に脳内補正しているからだ。人間の目と脳は「白」を記憶しており、記憶にしたがって目の前の「白」を再現するため、さまざまなシーンで「白いものを白」と認識できる。
ColorEdgeシリーズと印刷のカラーマッチングを、写真家の作品で比較。上段が印刷物、下段がColorEdgeシリーズの表示。写真では光の具合で色が異なって写ってしまったが、実物は上段と下段でほぼ同じ発色 |
写真家によるトークショーでは、主に自然写真の分野で活躍する諏訪光二氏がホスト的な役割を務め、電車写真の山崎友也氏、ペット写真の中村陽子氏、ポートレート写真の魚住誠一氏、スポーツ写真の水谷たかひと氏が参加(各氏が諏訪氏とトーク)。各回40分と比較的長く、写真撮影やプリント、ディスプレイ、カラーマッチングなどに関して、濃密なトークを聞くことができた。
もう1つのイベント「モニター画面と写真プリントのカラーマッチング」セミナーは、ColorEdgeシリーズの液晶ディスプレイと、キヤノン製プリンタ、またはエプソン製プリンタを組み合わせたハウツーと実演だ。液晶ディスプレイとプリンタのカラーマッチングを「どうやるか」について、設定と結果を実際に見られるとあって大盛況。このセミナーは、CP+のEIZOブースでは毎回定番となっている。
なお、EIZOの液晶ディスプレイは、ここで挙げたColorEdgeシリーズのほか、スタンダードタイプの「FlexScan」、エンターテインメントの「FORIS」というシリーズに分かれる。FlexScanシリーズにも、画質に重きを置いた「FlexScan SX」というモデルがあったのだが(基本性能はColorEdgeシリーズとほぼ同等)、画質重視はColorEdgeシリーズに一本化された。