多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることもありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「データ通信SIMを使うとバッテリーの減りが早くなるって本当ですか?」という質問に答えます。
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データ通信SIMとは、文字どおりデータ通信に特化したサービスを提供するSIMを指します。安価な料金設定で提供されていることが多く、音声通話は他の携帯電話があるから不要、インターネット接続のコストをできるだけ安くしたい、というニーズに適したサービスといえます。
しかし、一部のAndroid端末では、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供するデータ通信SIMカードを利用すると、バッテリーの減るペースが速くなることがあります。「セルスタンバイ」と呼ばれるこの現象は、一部のAndroid端末でしか確認されていませんが、バッテリーのもちを極端に悪化させることで知られています。
セルスタンバイは、通信圏外と判定され電波を探し続けてしまうことが原因と考えられています。多くのデータ通信SIMが使用しているNTTドコモの回線(W-CDMA)には、CS domain(回線交換)とPS domain(パケット交換)という2つの経路がありますが、データ通信SIMのなかにはPS domainでしか通信できないタイプが存在し、セルスタンバイもそのタイプでの発生が報告されています。
セルスタンバイは、音声通話付きプランでは発生しないことも確認されています。音声通話ではなくSMSオプションを加えることでもセルスタンバイを回避できるので、データ通信SIMを選ぶときには音声通話付きプランを利用するか、SMSオプションを加えれば確実ということになります。IIJmioやOCN、BIGLOBEがSMSオプションを提供しているので、セルスタンバイが不安な場合には考慮に入れるといいでしょう。
(記事提供: AndroWire編集部)