電子情報技術産業協会 (JEITA)は20日、ノートPCのバッテリ駆動時間を測定する「JEITA バッテリ動作時間測定法 Ver.2.0」(略称:JEITA測定法 2.0)を発表した。同測定法 Ver1.0が策定されたのは2001年。それから13年が経過したが、今回が初の改訂となる。
都内で開催された記者説明会で同会は、この13年の間にCPU性能やグラフィックス性能が向上したこと、使用環境の変化により無線LAN機能が一般に浸透したことを改訂の背景として挙げた。
Ver.2.0は、Ver.1.0と同様に動画ファイルを再生し続ける「測定法 a」とデスクトップ画面を表示したまま放置する「測定法 b」を行い、aとbそれぞれの動作時間を足して2で割って算出する。
Ver.1.0からの主な変更点は、画面の輝度を150cd/m2以上とすること、無線LANを有効にしてアクセスポイントに接続した状態とすること (データ転送は行わない)、測定法 aで用いる動画ファイルをフルHD解像度のH.264/AVCとすること、測定法 aの動画再生をフルスクリーン表示で行うこと。詳細は下表を参照していただきたい。
Ver.1.0に比べて消費電力が大きくなるため、算出される駆動時間が短くなる。その点について、同会のバッテリ動作時間測定法TG 米田清一 主査は、「メーカーや製品により異なるが、Ver.1.0の数値に対してVer.2.0では70~80%程度になる」との見通しを示した。
また、Ver.2.0においては測定した駆動時間のほか、下記囲みの4項目をカタログやWebページなどで情報公開するよう義務付ける。このうち設定に関わる部分では、輝度であればWindowsの電源管理設定で何%に設定したかなど、一般ユーザーも再現できるレベルであることを条件とする。
■JEITA測定法 2.0において、メーカーが情報公開すべき項目
・輝度計を用いずに画面輝度を150cd/m2に設定する方法
・使用した動画再生ソフト
・動画ファイルの格納場所
・測定にあたって出荷時の状態から設定変更した内容
Ver.2.0は2014年4月1日より施行され、同日以降に発売される新製品の情報として記載される予定だ。ただし、施行後1年を目安として、Ver.2.0とVer.1.0の測定値を併記することも認められる。バッテリ駆動時間の測定にVer.2.0を採用することを表明しているのは、ASUS JAPAN、NECパーソナルコンピュータ、エプソンダイレクト、東芝、日本ヒューレット・パッカード、パナソニック、富士通、マウスコンピューター、ユニットコムの9社。レノボ・ジャパン、デル、アップルなどは態度未定だ。