いよいよ大詰めのソチ五輪では日本時間20日、フィギュアスケート女子シングルのショートプログラム(SP)が始まる。見所は何と言っても、共に最後の五輪参加をほのめかしている浅田真央選手とキム・ヨナ選手(韓国)のライバル対決だろう。ジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人の対戦成績を振り返るとともに、今大会注目を浴びているユリア・リプニツカヤ選手(ロシア)のキャリアもまとめてみた。
ほぼ毎回、表彰台に上がる2人
まずは浅田選手とキム・ヨナ選手の国際大会での対戦成績だ。対戦の場を国際スケート連盟が主催する大会に限ると、二人が争った場は「世界ジュニアフィギュアスケート選手権」「ジュニアグランプリファイナル」「世界フィギュアスケート選手権」「グランプリファイナル」「四大陸フィギュアスケート選手権」「オリンピック」だ。対戦の勝敗を年代ごとに追ってみよう。
【2004-2005シーズン】
世界ジュニアフィギュアスケート選手権
1位: 浅田真央(179.24)
2位: キム・ヨナ(158.93)
ジュニアグランプリファイナル
1位: 浅田真央(172.83)
2位: キム・ヨナ(137.75)
【2005-2006シーズン】
世界ジュニアフィギュアスケート選手権
1位: キム・ヨナ(177.54)
2位: 浅田真央(153.35)
ジュニア時代は浅田選手の2勝1敗。戦いの舞台はシニアへと移る。
【2006-2007シーズン】
世界フィギュアスケート選手権
2位: 浅田真央(194.45)
3位: キム・ヨナ(186.14)
(1位は安藤美姫)
グランプリファイナル
1位: キム・ヨナ(184.20)
2位: 浅田真央(172.52)
【2007-2008シーズン】
世界フィギュアスケート選手権
1位: 浅田真央(185.56)
3位: キム・ヨナ(183.23)
グランプリファイナル
1位: キム・ヨナ(196.83)
2位: 浅田真央(191.59)
【2008-2009シーズン】
世界フィギュアスケート選手権
1位: キム・ヨナ(207.71)
4位: 浅田真央(188.09)
四大陸フィギュアスケート選手権
1位: キム・ヨナ(189.07)
3位: 浅田真央(176.52)
グランプリファイナル
1位: 浅田真央(188.55)
2位: キム・ヨナ(186.35)
【2009-2010シーズン】
バンクーバー五輪
1位: キム・ヨナ(228.56)
2位: 浅田真央(205.50)
世界フィギュアスケート選手権
1位: 浅田真央(197.58)
2位: キム・ヨナ(190.79)
【2010-2011シーズン】
世界フィギュアスケート選手権
2位: キム・ヨナ(194.50)
6位: 浅田真央(172.79)
(1位は安藤美姫)
【2012-2013シーズン】
世界フィギュアスケート選手権
1位: キム・ヨナ(218.31)
3位: 浅田真央(196.47)
通算成績では8勝6敗とキム・ヨナ選手に軍配が上がった。こうして見ると、多くの主要大会で、ほぼ毎回浅田選手とキム・ヨナ選手は表彰台に上がっている。ほとんど互角の争いを演じてきた2人だが、バンクーバー五輪のあった2009-2010シーズン以降は、スコア面からみてもキム・ヨナ選手にやや分があるようだ。ソチ五輪を「集大成」と位置づけている浅田選手だけに、表彰台の一番高い場所に立ち、バンクーバーの雪辱を果たしたいところだろう。
ロシアの新星・リプニツカヤ選手の気になるキャリアは……
新種目のフィギュアスケート団体で、SPとフリーに出場し、その圧倒的なパフォーマンスと愛らしいルックスで注目の的となったリプニツカヤ選手。10代の実力者がそろうロシア女子フィギュアスケート界で、めきめきと頭角を現してきた15歳は、近年の主要大会でもしっかりと結果を残している。
【2011-2012シーズン】
ジュニアグランプリファイナル
1位: 179.73
世界ジュニアフィギュアスケート選手権
1位: 187.05
【2012-2013シーズン】
世界ジュニアフィギュアスケート選手権
2位: 165.67
【2013-2014シーズン】
グランプリファイナル
2位: 192.07
フィギュアスケート欧州選手権
1位: 209.72
単純比較はできないが、2011-2012シーズンの世界ジュニアフィギュアスケート選手権で出した187.05という数字は、ジュニア時代の浅田選手、キム・ヨナ選手を上回る。今後の成長が楽しみな選手であることは間違いないようだ。
三つどもえの戦いになるのか、それとも本番でダークホースが出てくるのか。いずれにせよ、フィギュアスケート女子シングルからは目が離せない!