1月16日に急逝した音楽プロデューサー・佐久間正英氏のコンピレーションアルバム『SAKUMA DROPS』(3月5日発売)に収録される新曲「Last Days」が19日、アルバム発売に先駆けて主要音楽配信サイトにて先行配信がスタートした。
佐久間正英プロデュース作品の中から自身が選曲・監修したコンピレーションアルバム『SAKUMA DROPS』は、BOØWY「Dreamin'」、JUDY AND MARY「そばかす」、GLAY「HOWEVER」、エレファントカシマシ「今宵の月のように」など日本の音楽シーンを彩った名曲33曲に加え、佐久間正英の最新曲「Last Days」を特別収録した全34曲入り2枚組アルバム。
「Last Days」のレコーディングは昨年12月13日に横浜のランドマークスタジオにて行われ、入院先の病院からスタジオに入った佐久間正英がギター・ベース・ピアノ、元JUDY AND MARYのTAKUYAがボーカル・ギター、ミュージシャン・音楽プロデューサーの屋敷豪太がドラム、乃木坂46の生田絵梨花がピアノとコーラス、息子でミュージシャンの佐久間音哉がキーボードをそれぞれ担当。正英氏はレコーディングスタジオに約8時間滞在し、ほぼノンストップでレコーディングが進められた。
正英氏は「最後にもう一度大好きなTAKUYAと一緒にこの作品を仕上げたい」と願い、その思いをまっとう。正英氏が他界したのは、1月15日の深夜。「Last Days」のマスタリング音源を自宅で確認し、OKを出したその夜だったという。
レコーディングに参加したTAKUYAは、「ソロデビューシングル『コイビト』、JAM唯一のシングルチャートNo1『そばかす』、そして師との最後のセッション『Last Days』。この3曲以外にも佐久間さんとの思い出のレコーディングはたくさんあるけど、最後にソファーに倒れたまま、何度もサムズアップでいただいたプロデューサーOKを僕は生涯大事にこの先も佐久間さんにOKもらえるような演奏、音楽がんばります!」と、正英氏との思い出を胸に今後の音楽人生を突き進んでいくことを誓った。
屋敷は、「風の様な人、風を操れる人。迷っていると追い風をくれて背中を後押してくれたり、集中したい時には無風にしてくれたり。自分自身は風だけにスルッと無理難題を通り抜けられる人でした。人間的にも音楽的にも包容力があり、知恵と才能を兼ねそろえ世界でも通用できる人でした。でも、日本の音楽シーンを盛り上げる事に本当の意味で命をささげて来た人です」と正英氏への尊敬の意を示した。
音哉氏は、「ある晴れた週末の午後。父と僕はソファに座って話していた。『アルバム用にアンビエントテクノぽい曲を3曲作ってくれない?』。アルバム『Last Days』を計画していた彼は僕に曲のオファーをしてきた。結局アルバムは作れず、この表題曲が遺作になってしまった。2014年1月15日、彼はその日マスタリングが終わったばかりのこの曲を聴き自らオッケーを出し、その夜、永眠した」と、最後の作品が完成するまでの経緯を明かし、「佐久間正英が自身の最後の日々についての思いを描いたこの曲のレコーディングに参加できたことは今後の僕にとってとても大切なものになることだろう」と、最後の父とのレコーディングについて語っている。
なお、『SAKUMA DROPS』の特設サイトも同日オープン。「Last Days」レコーディングに立ち会い、昨年末に正英氏と最後のインタビューを行った音楽ライター・田家秀樹氏によるアルバムレビューを掲載している。今後、アルバム収録アーティストのコメントも掲載していく予定。