猫好きな人が集まって猫と共同生活を送る「Qハウス」というシェアハウスが福岡にある。猫が飼えない人には興味深い話だが、なぜこのようなシェアハウスができたのか、実際に住んでいる人はどのように感じているのかも気になるところ。そこで、ウチ(家)の中の生活をより充実させたいと考える人達を応援する「ウチ充普及応援プロジェクト」の協力のもと、Qハウスの立案者や入居者に話を聞いてみた。
猫シェアハウスが誕生した理由
Qハウスは、シェアハウスやオーダーメイド賃貸などを手掛ける、福岡リノベースが企画運営を行っているシェアハウス。福岡に2軒存在しているがどちらも満室で、現在は3軒目を計画中だ。どうして猫と一緒に生活するシェアハウスを立案したのかを、同社代表取締役の江頭聖子さんに聞いたところ、「猫好きな人はとても多いのに、飼育費や留守中の心配、賃貸物件の制限もあって、猫を飼うにはハードルが高い。そのハードルをみんなで乗り越えられたらいいなと思って、猫シェアハウスをはじめることにしました」とのことだ。また、江頭さん自身も、1人暮らしをしていた際に出張が増えて猫と過ごす時間が激減し、猫のストレスと自分自身のやるせなさを感じた経験から「私が猫と一緒にいられない間、せめて同居人がいてくれたら」という想いがあったのだという。
猫に癒されながらの共同生活
Qハウスで生活ている猫達は現在3匹。ロシアンブルーの雄猫「ビータ」は、目立ちたがりだけどナイーブ。白黒の雑種で雌の「リンダ」は、人見知りで女子そのもの、そして美声。一時的に入居している雄のキジトラ「コータ」は、やんちゃ坊主で甘えん坊、ちょっぴり変だけど可愛い鳴き声が特徴だ。
入居者に「猫たちのどんなしぐさや行動がかわいいと思いますか?」と質問したところ、「膝に乗ってきたとき」「目の前にきて何かを訴えてくるとき(かまってほしいとき)」「二匹が同じ寝床で固まって寝てるとき」といった、仕草や情景が目に浮かぶような答えが返ってきた。猫達にしてみれば、人間の家族に飼われているのとあまり変わらない状況で、飼い主的な人間達が他人同士であっても、気にせずにマイペースな生活を送っているようだ。
「猫シェアハウスの一番の魅力を語ってください」との質問には、意外といっては失礼かもしれないが「聖子さん(管理人の江頭聖子さん)」との回答であった。Qハウスは、江頭さんのみんなで猫が飼える環境を作りたいという思いから始まったシェアハウスだが、猫だけではなく入居者に対する気遣いも窺い知れる回答だ。最後に「ハウスの猫たちへ一言どうぞ!」という質問には、「ビータ←痩せろ!」「リンダ←かわいい」という愛のあるコメントを寄せてくれた。
Qハウスは、リビングにキャットタワー、床板をフローリングから足場板に張り替えるといったリフォームのほか、スマートフォンで撮影した猫達の動画や静止画をシェアしたり、動画投稿サイトにアップロードできるWi-Fi環境が整えられるなど、猫を愛でる環境も整った実に羨ましいシェアハウスだ。