ANAグループは2月14日、「2014-16年度 ANAグループ中期経営戦略」を発表した。持株会社制のもと、グループ収益の柱であるフルサービスキャリア(FSC)事業の収益性を高めていくという。
国際線を成長事業と位置付け
FSC事業は、日系企業の海外展開や訪日外国人の拡大による需要増と首都圏発着枠拡大を背景に、国際線を成長事業と位置付けている。「羽田・成田の首都圏デュアルハブモデル」では、羽田は「都心部に近く豊富な国内線が就航」「24時間空港」といったメリットを生かし、高単価なビジネス客と国内線接続需要をターゲットに主要地点へ路線を展開する。
また、国内航空会社が就航していない、中長期的に有望な路線(都市)への積極的な就航も検討するという。
成田では、2015年の増枠以降は新規地点を中心に路線を展開。スターアライアンス、JV(ジョイントベンチャー)の効果的な活用も含めた成田における接続ネットワークを構築し、訪日並びにアジア=北米間のグローバル需要を獲得する。また、スターアライアンスに加え、個別に2社間の協力関係の拡充も展開していく。
これら羽田・成田両空港をあわせた国際線旅客事業により生産量を拡張し、2016年度の国際線生産量(座キロベース)は2013年度比約45%増を見込んでいる。ANAとして、初めて国内線生産量(座キロベース)と同等の水準を計画しているという。
フルフラット化は2014年度中に完了
サービス面ではフルサービスキャリアとして、プロダクト&サービスによる差別化を更に推進していく。長距離路線のビジネスクラスのフルフラット化を2014年度中に完了させ、中距離路線についても機材品質向上やサービス強化を推進する。
同時に、為替影響によるコスト増を最小限にとどめるための取り組みも積極的に実施する。為替環境を考慮し、グローバル需要をターゲットとした海外販売を強化。外貨収入を拡大しながら為替リスクを抑制する。また、海外コストの適正化、リソースのグローバル化、マルチタスク化等を通じ、ユニットコストも低減させていく。