職場いじめへの対処法、「何もしない」が4割に

日本法規情報はこのほど、職場いじめに関する意識調査「職場いじめの実態」について結果を公表した。

現在、「モラル・ハラスメント」「パワー・ハラスメント」「セクシャル・ハラスメント」という名の職場いじめが深刻な問題となっている。先日、同社の行ったアンケート調査の結果では、56%の人が「いじめを受けたことがある」と回答し、「いじめを受けたことはない」と回答した人が44%という深刻な結果についてリリースを行った。

このような職場でのいじめの実態を受けて、今回は、いじめに対してどのような対応を行ったのかについて、アンケートを行った。調査期間は、1月31日~2月13日。調査人数は、1,270人(男性513人・女性757人)だった。

職場いじめへの対処法、「何もしない」が40%、「病気になった」が13%

アンケート調査の結果、「何もしない」と回答した人が40%。「信頼できる友人に相談」と回答した人が13%、「病気になって休んだ」と回答した人が13%、「親・兄弟等に相談」と回答した人が13%、「信頼できる先輩(上司)に相談」と回答した人が13%、「本人に直談判した」と回答した人が7%、「専門家に相談した」と回答した人が3%という結果となった。

注目すべきは、「何もしない」との回答が40%、そして「病気になって休んだ」と回答した人が13%もいたというアンケート結果。パワハラ、セクハラ、職場のいじめ、嫌がらせが原因で、うつ病、心身不調に陥る結果は社会問題となっているものの、いじめの被害者側から企業側に改善を求めても、これを受けて改善しようと努力する企業が少ないのが現実となっている。同社では、「何もせず」消極的な態度を取り続けることで、状況が改善する可能性は低いと考えた方がいい、としている。

このような「職場いじめ」の場合は、弁護士などの法律家に介入してもらい、相手や雇用主との交渉を行ってもらうなど法的措置で解決できるケースがある。企業は労働者が働くための環境を安全・快適にするための「職場環境配慮義務」があり、過去の裁判事例においても、リストラ目的の上司から部下への嫌がらせが行われたケースで「退職強要に対する慰謝料」が認められたケースもあるという。

職場いじめは、辛いもの。そして、1人で問題を抱え込んでいても解決されるケースは少ない。同社では、まずは最寄りの法律家に相談してみては、と勧めている。