JR西日本はこのほど、新型ラッセル車両キヤ143形を投入すると発表した。線路上の除雪に使用されるラッセル車両の新製は、JR発足以降、他社も含めて初だという。

新型ラッセル車両キヤ143形の外観イメージ(JR西日本提供)

キヤ143形は2~3月にかけて2両投入され、おもに北陸本線などで使用される予定。車体外部塗装は既存のラッセル車両と同一の朱色をベースに、車体前面と運転室側面にゼブラ模様を配し、雪の中でも存在感のあるデザインとした。

両先頭部の除雪用ラッセル翼は、運転室からの操作で単線除雪・複線除雪に切り換えることができ、ラッセル車両として使用しない期間は除雪装置を取り外して牽引車両としても使用可能。従来のラッセル車両より軽量化を図りながら、従来車両と同等の除雪能力を発揮する。運転室のオペレーターが除雪状態を確認するための確認用カメラも搭載した。

衝突時の安全対策として前面衝撃吸収構造を採用したほか、運転状況記録装置、映像音声記録装置、ATS・EB 電源未投入防止装置などの安全装置も。運行中の安全性を確保するため、車両機関室内にエンジン・変速機を2台ずつ、さらに自動消火装置も搭載される。最新の気動車と同様の環境対応エンジンを採用し、部品も最新の気動車と共通化することで、メンテナンスの軽減を図るしている。