財務省はこのほど、国民所得に占める税金や社会保険料など公的負担の割合を示す国民負担率について、2014年度の見通しを推計した。
それによると、2014年度の国民負担率は2013年度から1.0ポイント上昇し、過去最高の41.6%となる見込みとなった。同省は要因として、厚生年金などの保険料率の引上げや高齢化などにより社会保障負担率が若干増加することや、景気回復、消費税率引上げなどに伴い租税負担率が増えることを挙げている。
負担の内訳を見ると、消費税などの租税負担が前年度比0.8ポイント上昇の24.1%。社会保障負担は同0.1ポイント上昇の17.5%と試算している。
国民負担率を経済協力開発機構(OECD)加盟国(トルコを除く33カ国)で比較したところ、トップはルクセンブルクの85.2%。以下、デンマークの67.7%、ベルギーの63.5%、イタリアの62.5%と続き、社会保障が手厚いといわれるヨーロッパが上位に入った。日本は27位、米国は31位(30.8%)、最下位はメキシコ(23.4%)だった。
国民負担に財政赤字を加えた潜在的国民負担率については、前年度比0.3ポイント低下の51.9%と見込んでいる。