財務省は10日、2013年の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支の黒字額は前年比1兆5,176億円(31.5%)減の3兆3,061億円となった。黒字幅の縮小は3年連続で、統計可能な1985年以降最少の黒字額となる。
貿易・サービス収支は、過去最大となる12兆2,349億円の赤字。赤字幅は前年より3兆9,308億円拡大した。
貿易収支は、同じく過去最大の10兆6,399億円の赤字。赤字幅は前年比4兆8,258億円拡大した。米国・中国向けを中心に輸出が増えた一方、原粗油や液化天然ガスを中心とした輸入の増加が上回ったことが影響した。
輸出額は前年比5兆5,273億円増の66兆9,694億円で、3年ぶりの増加。輸入額は同10兆3,532億円増の77兆6,093億円で、4年連続の増加となった。
サービス収支は1兆5,950億円の赤字で、赤字幅は前年より8,950億円縮小した。これは、「輸送収支」「旅行収支」「その他サービス収支」がいずれも赤字幅を縮小したためと見られる。
所得収支は16兆5,318億円の黒字で、黒字幅は前年より2兆2,595億円拡大した。黒字幅の拡大は3年連続で、過去最大の黒字額。直接投資に係る配当金・配分済支店収益の受取増加などにより直接投資収益が増加したことに加え、証券投資に係る債券利子等の受取増加などにより証券投資収益も増加したことが影響した。
資本収支は4兆6,090億円の流入超(前年8兆1,878億円の流出超)となった。
併せて発表した2013年12月の国際収支状況(速報)によると、経常収支は6,386億円の赤字となった。赤字は3カ月連続。赤字幅は前年同月比で4,079億円拡大し、単月として過去最大を更新した。
貿易・サービス収支は1兆4,450億円の赤字で、赤字幅は前年同月より6,244億円拡大した。赤字は21カ月連続(季節調整値ベースでは34カ月連続の赤字)で、12月としては過去最大。
貿易収支は1兆2,126億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で6,403億円拡大。赤字は18カ月連続で、こちらも12月としては過去最大となった。自動車や鉄鋼を中心に輸出が増加したものの、原粗油や液化天然ガスを中心とした輸入の増加が上回ったことが要因。
輸出額は前年同月比7,899億円増の5兆8,599億円で、10カ月連続の増加。輸入額は同1兆4,303億円増の7兆726億円で、14カ月連続の増加となった。
サービス収支は2,324億円の赤字で、赤字幅は前年同月比159億円縮小。所得収支は8,843億円の黒字で、黒字幅は前年同月比1,716億円拡大した。
資本収支は1兆8,261億円の流入超(前月6,443億円の流入超)となった。