舞台『国民の映画』の初日開幕直前会見が7日、東京・渋谷区のパルコ劇場で行われ、演出の三谷幸喜、キャストの小日向文世、段田安則、渡辺徹、秋元才加らが出席した。
2011年3月にプレビュー公演を行なった同作は、1940年代のドイツ・ベルリンを舞台に、激動の時代を生きた人々の人間ドラマ。あらゆる芸術がナチスのプロパガンダのために利用された時代、厳しい検閲の中で芸術活動を行なう映画人と政治に取り憑かれたナチス高官たちの群像劇を描いたもので、3月9日まで同劇場で公演中(大阪、名古屋、福岡でも順次公演)。
会見には、三谷、小日向、段田、渡辺、秋元のほか、キャストの吉田羊、シルビア・グラブ、新妻聖子、今井朋彦、小林隆、平岳大、小林勝也、風間杜夫が出席。演出の三谷は、初演の幕開け直後に東日本大震災が起こった同作の再演を、「観れなかった方々に見せたいと思っていたので、願いが叶った。より深く豊かな作品に仕上がったと思う」とアピール。ゲッベルズを演じた主演の小日向は、セリフの多さがプレッシャーだったことを明かし、「初演は本当に大変だったので、再演を聞かされてゾッとした」と言いつつ、「新しいメンバーも加わったので、もう1度リベンジをするつもりで頑張りたい」と意気込んだ。
また、新たなキャストとして、AKB48卒業後初の舞台出演となる秋元と三谷作品初参加の渡辺が加わった同再演。ゲッベルズの愛人で新進女優のエルザを演じることになった秋元は、「和気あいあいとした和やかな雰囲気でビックリした。芝居が始まるとスイッチが入ってすごいなと思いました」と稽古で刺激を受けた様子で、「1回1回を大事に演じたい。“新進女優”として躍進できるように頑張ります」とあいさつ。一方の渡辺は、「幕が開くのが楽しみ。やる気十分です!」と満面の笑みで意気込むも、三谷に「渡辺徹が入ってから、現場の緊張感がなくなった。本当に腹立つのは、初々しくやって欲しかったのにつまらないギャグを言ってばっかり」とこぼされ苦笑いしていた。