アンドロイドでは、標準でGoogleカレンダーを利用するようになっていますが、設定により他のカレンダーサービスも利用可能です。今回は、MicrosoftのOutlook.comを利用する方法を紹介します。Outlook.comの特徴はなんといっても、Windows上のOutlookアプリケーション(以下Outlookと略す)と同期できることです。また、Outlook.comを介すことで、複数のWindowsマシンで動作しているOutlookを同期させることが可能です。

Outlook.comとは?

Outlook.comは、かつてMicrosoftがWindows Liveなどの名前で行っていたサービスを統合し再構成したものです。現状Microsoftは「Windows Live」という名称をやめて、Outlook.comやSkyDrive(OneDrive)といったサービスに名前を変更している最中です。ただ、出自が同じといっても、それぞれのサービスは変化しつづけており、ある意味、新しい名前で再スタートといってもいいでしょう。

Outlook.comのサイトを開くと、メールサービスの画面になりますが、大きな機能としては以下のものがあります。

  • メール
  • People
  • カレンダー
  • SkyDrive

これらのアイコンは、Windows 8.0/8.1に合わせたもので、Outlook.com以外は、同じアイコンを使うストアアプリが用意されています。

このOutlook.comを使うときに必要になるのがMicrosoftアカウント(前はWindows LiveアカウントやMicrosoft Passportと呼ばれていたことがある)です。こちらもWindows 8.xで利用するようになったので持っているユーザーもいるでしょう。

Outlook.comとWindows上のOutlookの同期は、単にOutlook側にMicrosoftアカウントを設定するだけで完了します。複数のマシンで同じMicrosoftアカウントを登録すれば、Outlook.comを介してOutlook間で同期が行われます。

コーポレートアカウントでOutlook.comを使う

アンドロイドには、企業内のExchangeサービスを利用するための機能があります。このインタフェースは、Outlook.comも持っており、アンドロイドからOutlook.comサービスは、インターネット側にあるExchangeサーバーのようにみえるわけです。実際には、Outlookアプリケーションは、Exchangeクライアントとして動作し、Outlook.comとの接続にも同じインタフェースが使われているのです。

この機能を使うと、アンドロイドから、Outlook.comへアクセスできるようになり、WindowsマシンでOutlookに予定を入れるだけで、アンドロイドに同期されるようになります。この同期は、双方向なので、アンドロイド側で予定を入力してもOutlook.com経由で、Windowsマシン側のOutlookに同期されます。

アンドロイドでOutlook.comを使うには、「設定」 ⇒ 「アカウント」で「コーポレート」アカウントを設定します。ここでは、説明のために仮のMicrosoftアカウントとしてユーザー名が「user@example.com」を使用します。というのは、コーポレートアカウントの設定では、メールアドレスのドメイン名からサーバー名などを推測して入力するので、それをはっきりとさせるためです。また、設定手順や画面などはAndroid 4.4.2(Kit Kat)を使った場合です。他のバージョンだと画面などがちょっと違っていますが、基本的なやり方は同じです。

「設定」を開き「アカウント」にある「+アカウントの追加」をタップします(写真01)。「アカウントの種類」(写真02)で「コーポレート」を選びます。最初は、メールアドレスとパスワードの設定(写真03)ですが、ここには、MicrosoftアカウントのユーザーID(メールアドレスになっている)とそのパスワードを設定します。そのあと「手動セットアップ」ボタンを押し、次の画面(写真04)では「Exchange」を選択します。

写真01: アンドロイドで「設定」を開き、「アカウント」にある「+アカウントを使い」をタップする

写真02: ここからは「コーポレート」を選択する

写真03: まずは、MicrosoftアカウントのユーザーID(メールアドレス)とパスワードを入力して「手動セットアップ」をタップ

写真04: タイプでは「Exchange」を選ぶ

次のページ(写真05)では、「サーバー」に「m.hotmail.com」といれ、それ以外はデフォルトのままにして「次へ」ボタンを押します。

写真05: 基本的にデフォルトのままでよいが「サーバー」は、手で「m.hotmail.com」と入力する

その次は基本的な設定です(写真06)。ここはデフォルトのままでかまいません。また、ここでの設定はあとから変更可能です。

写真06: このページもデフォルトのままでいいが、メールを使わないなら「受信トレイを確認する頻度」などを変更してもいいだろう

最後のページ(写真07)ではいま設定したアカウントに名前を付けます。複数の「コーポレート」アカウントを登録したときにそれぞれを区別する設定なので、自分が区別できるならなにをつけてもかまいません。デフォルトでは、最初に登録したメールアドレス(MicrosoftアカウントのユーザーID)が表示されています。

写真07: 最後に付けるのはアカウントの名前なので、そのままでもよい

なお、メールに関しては、Gmailを使っているなどの理由でOutlook.comを使っていない場合には、着信関係の設定はオフでもかまいません。「コーポレート」アカウントでは、「メール」、「カレンダー」、「連絡先」の3つの同期項目があり、それぞれ個別にオンオフが可能です。これは、「設定」 ⇒ 「アカウント」 ⇒ 「コーポレート」をタップし、アカウントに登録した「名前」をタップします(写真08)。ここでそれぞれの項目をオンオフ可能です(写真09)。

写真08: 「設定」 ⇒ 「コーポレート」をタップすると、設定ページになるが、上のアカウント部分に登録された項目をタップする

写真09: ここでは、該当のMicrosoftアカウントのメール、カレンダー、連絡先のどれを同期するかを選択できる

Outlook.comができて、アンドロイドでOutlookのカレンダーなどを使うのは比較的便利になりました。メールの場合、Gmailではなく「メール」アプリから利用します。カレンダーや連絡先アプリはGoogleのデータも、Outlook.comのデータもまとめて扱うことができるため、アプリを使い分けする必要がありません。また、メールと連絡先はGoogleだけど、カレンダーはOutlook.comという使い方も可能です。PCでOutlookを使っているならカレンダーだけでもOutlook.com経由で利用できるようにしてもいいでしょう。

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