Twitter本社(キャッチ用画像です)

Twitterが成長率鈍化で苦しんでいる。具体的には、四半期ごとに引き続き成長を続けているものの、投資家やアナリストらの期待ほどには伸びておらず、将来的な広告収入の伸びに疑問符がついているという状態だ。これはTwitterに限らず、SNSの世界で兄弟的存在のFacebookにもいえることで、その動向に注目が集まっている。

同件はWall Street Journalが報じている米Twitterは2月5日(現地時間)に2013年第4四半期ならびに通年での決算報告を行ったが、第4四半期の売上は前年同期比116%アップの2億4300万ドル、通年では110%アップの6億6500万ドルだった。平均アクティブユーザー数(MAU)についても引き続き伸張しており、第4四半期終了時点での結果は2億4100万人で前年同期比30%のアップだった。MAUに関していえば毎四半期ごとにその数を伸ばしており、広告収入も上昇著しく、不安要素はあまりないように見える。一方でMAUの伸び率は鈍化傾向が顕著になっており、ほぼ横ばいの水準に近付いている。

これはWSJの別記事のグラフを参照するとわかりやすい。MAUに関して、米国内外ともに増加を続けており、直前の第3四半期との比較では900万の増加となっている。だが、それまでの増加率を考えれば900万という水準はかなり低く、直前の四半期との比較でおよそ4%程度の伸びにとどまっている。このTwitterのMAU成長率は2011年の50%から比較して3年ほどの間に10分の1程度の水準まで落ちてきており、すでに成長が一段落しつつあるFacebookの伸び率である3%に近い。おそらくは、直近で両者がほぼ同率の低成長水準に落ち着く可能性は高いとみられ、これが投資家らの懸念の1つとなっている。

もう1つ問題となっているのが、通常のWebサイトでいうページビューにあたる「Timeline View」という指標だ。第4四半期のTL Viewは1480億で、前年同期との比較では26%の増加だが、第2四半期の1510億、第3四半期の1590億という水準から比較すると減少に転じている。理由は不明だが、こちらは最近増え始めた広告商品の売上に直結する指標であるため、より深刻かもしれない。米株式市場が全体に軟調にある状態での数字なので一概にはいえないが、この決算報告が行われた5日終値の65.97ドルから、翌6日の取引では24.16%マイナスの50.03ドルまで売りが加速している。この結果は比較的シビアに判断されているとみられる。現在、Twitterは広告商品のメニューを大幅に拡充し始めているが、その売上増を実現するのは「いかにスケールするか」という部分にほぼ依存しており、こうした低成長トレンドを払拭する必要がある。

11月初旬のIPOから現在までのTwitter株価の推移(出典: Google Finance)

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