ジェック経営コンサルタントは2月6日、北陸3県(石川県・富山県・福井県)において計測した、携帯電話主要3キャリアの通信速度の値を公表した。iPhoneおよびAndroidの最新端末で計測したもので、それによると平均ダウンロード速度でトップだったのは、NTTドコモのiPhone/ Android端末だった。
同調査では、北陸3県の大学・高校を中心にショッピング施設、観光・レジャースポット・交通施設を加えた116カ所で実測調査を実施。調査に使用したのは、各キャリアが提供する「iPhone 5c」および、ドコモの「Xperia Z1f」、KDDI(au)の「Xperia Z1」、ソフトバンクモバイルの「AQUOS PHONE Xx」。調査期間は2014年1月27日から31日の5日間だった。
下り速度はドコモがトップ、全116カ所中85カ所で最速
iPhoneにおいてダウンロード速度が最速となったのはドコモで、下り平均27.1Mbpsを記録。全116カ所中85カ所で最速となった。Androidのダウンロード速度も最速はドコモで、下り平均29.6Mbpsを記録。全116カ所中76カ所で首位を獲得した。ちなみに同端末が「エルバ(福井県)」で記録した下り83.6Mbpsが、今回の計測における下りの最速値だった。
上りはドコモとソフトバンク - 学校、観光スポットはドコモが優位
iPhoneにおいてアップロード速度が最速となったのはソフトバンクで、上り平均7.6Mbpsを記録。Androidにおいてアップロード速度が最速となったのはドコモとソフトバンクで、ともに上り平均7.5Mbpsを記録した。
このほか、北陸3県における73の大学・高校で測定を実施した。その結果、ドコモのiPhone は52カ所で首位を獲得し、勝率7割を超える結果となった。ドコモのAndroidでも43カ所で首位を獲得。iPhone/ Androidともに平均ダウンロードの最速値を記録している。金沢大学・富山大学・福井大学といった県中心部の大学に加え、能登高校(石川県)、上市高校(富山県)、敦賀高校(福井県)といった県中心部以外の大学・高校でも強さを発揮した。iPhoneでは45カ所、Androidでは49カ所が下り速度20Mbps以上となり、北陸地区の高校・大学全般におけるLTE網の整備が進んでいることを示す結果となった。アップロード速度では、ソフトバンクが最速値を記録している。
今回の調査ではさらに、観光レジャースポット16カ所、交通施設14カ所、ショッピング施設13カ所でも測定を実施した。3つのカテゴリにおいて、iPhone、Androidともにダウンロード速度ではドコモが1位となっている。アップロード速度は観光・レジャースポットではiPhone、Androidともにドコモが1位、交通施設、ショッピング施設ではソフトバンクが1位となった。
北陸3県すべてでドコモの強さが際立つ
なお同調査では、石川県、富山県、福井県それぞれの平均通信速度も計測している。結果は次の通り。
石川県におけるiPhoneのダウンロード速度については、ドコモが平均下り速度28.3Mbpsで首位だった。石川県で計測した52カ所中37カ所で首位を記録した。2位はau、3位はソフトバンクだった。高校・大学に限ると、ドコモのiPhoneは下り平均27.3Mbpsを記録。金沢大学など、下り30Mbps以上だった学校は13校あった。
石川県におけるAndroidのダウンロード速度については、ドコモが平均下り速度29.8Mbpsで首位だった。石川県で計測した52カ所中35カ所で首位を記録した。高校・大学に限ると、ドコモのAndroidでは下り30Mbps以上だった学校が16校あった。最速値は、ドコモのAndroidが金沢大学で記録した下り72.8Mbps。アップロード速度においては、iPhoneでは僅差でソフトバンクが、Androidではドコモが1位となっている。
富山県におけるiPhoneのダウンロード速度については、ドコモが平均下り速度24.7Mbpsで首位だった。富山県で計測した36カ所中27カ所で首位を記録した。2位はソフトバンク、3位はauだった。高校・大学に限ると、ドコモのiPhoneは全21カ所で下り平均24.4Mbpsを記録しており、下り30Mbps以上を記録した学校は8校あった。
富山県におけるAndroidのダウンロード速度については、ドコモが平均下り速度26.5Mbpsで首位だった。富山県で計測した36カ所中20カ所で首位を記録した。高校・大学に限ると、ドコモのAndroidでは下り30Mbps以上だった学校が7校あった。最速値は、ドコモのAndroidが新湊高校で記録した下り51.7Mbps。アップロード速度についてはiPhone、Androidともにソフトバンクが1位となっている。
福井県におけるiPhoneのダウンロード速度については、ドコモが平均下り速度28.1Mbpsで首位だった。福井県で計測した28カ所中21カ所で首位を記録した。2位はソフトバンク、3位はauだった。高校・大学に限ると、ドコモのiPhoneは全14カ所で下り平均22.5Mbpsを記録しており、下り30Mbps以上を記録した学校は3校あった。
福井県におけるAndroidのダウンロード速度については、ドコモが平均下り速度33.1Mbpsで首位だった。福井県で計測した28カ所中21カ所で首位を記録した。高校・大学に限ると、ドコモのAndroidでは下り平均30Mbps以上を記録した学校が5校あった。最速値は、ドコモのAndroidが高志高校で記録した下り51.3Mbps。アップロード速度についてはiPhone、Androidともにソフトバンクが1位となっている。
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北陸3県における今回の調査では、ドコモの通信の強さが際立った。ダウンロード速度が他社より10Mbps以上速い地域も多く見られた。ドコモでは北陸においても高速LTEネットワークの整備を進めている。その成果が今回の結果に現れていると言えそうだ。
同社では現在、2GHz・1.7GHz・1.5GHz・800MHzの4つの周波数帯を利用した「クアッドバンドLTE」により、国内全域において通信の速さと快適さを追求している。学生の生活エリアでの電波改善も推し進めており、全国の772大学をdocomo LTE Xiエリア化していく方針だ。また屋外だけでなく、施設内でも快適な通信を利用できるよう、全国の買い物施設やレジャースポット、イベント・スポーツ施設には屋内専用のXi基地局の設置を進めている。今後もドコモのエリア拡張計画に期待したい。
(執筆:大石はるか)