帝国データバンクは6日、東京大学発のベンチャー企業として知られるスマートソーラーインターナショナル(宮城県・仙台市)が、2014年2月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けたと発表した。破産管財人は杉本太郎弁護士。
同社は2009年8月、元大手電機メーカー役員で「ミスター・ソーラー」と呼ばれた富田孝司氏を代表に招聘し、東京大学の先端科学技術研究センターのプロジェクトとして太陽光発電システムの開発を目的に設立。ベンチャーキャピタルや大手メーカーから出資を受け、2011年3月には三本木工場(宮城県・大崎市)を設置し、2012年1月より集光型モジュールの本格的な製造を開始していた。
モジュール製造以外に関連部材や設置までを手がけ、発電事業を行う企業などを得意先として、2013年3月期の年売上高は10億円の計上を目指していたが、売り上げは低迷。先行投資が収益を圧迫し、赤字が巨額化していた。
このため、2012年6月には国が創設した「挑戦支援資本強化特例制度」を活用して政府系金融機関から2億円を調達したほか、東日本大震災の復興プロジェクトに参加するなど、再生エネルギー普及支援活動も行っていたが、売り上げは回復せず資金繰りがひっ迫、生産規模を縮小していた。こうしたなか、代表の富田氏が2014年1月に死去し、先行きの見通しが立たないことから、今回の措置に至った。
負債は約5億円との見通しだが、今後変動する可能性がある。