お気に入りの楽曲は、良い音で聞きたい。そう考えるからこそ、色んなスピーカーを試してみたくなる。本稿で紹介するのは、2台のスピーカーでステレオの臨場感を味わえるBluetoothスピーカー「USBS-WW1」(SiB製)だ。Urban UtilityのWebサイトにて販売されている製品で、価格は12,800円となっている。
軽量コンパクトなボディながら連続20時間再生が可能
本製品の特長は、左右のスピーカーがワイヤレスで独立していること。2台のスピーカーを有する製品は他社からも販売されているが、スピーカー間は有線で繋がれていることがほとんどだ。そのため設置できる場所に、おのずと制約が生じる。本製品ではスピーカー同士がBluetoothで連携できるため、どこでも好きな場所にスピーカーをレイアウトできる。
スピーカーのサイズは60(W)×60(D)×60(H)mmで、質量は約175g。軽量でコンパクトなため、ちょっとしたスペースにも難なく置くことができる。例えば、宅内ならデスクまわりやリビング、キッチン、寝室などに置いて気ままに音楽を楽しめるだろう。バックに入れて外に持ち運ぶのも苦にならない大きさだ。スピーカーには充電式のリチウムイオン電池を内蔵(電池容量は1000mAh)。付属のUSBケーブルで充電して使用する。約3時間でフル充電でき、連続20時間の楽曲再生が可能となる。
使用感は如何に?
実際に使用してみた。まずは2台のスピーカー間でBluetooth接続を行う。次に片方のスピーカーとスマートフォンをペアリングさせる。これだけで準備が整う。説明書の指示通りにやれば、5分もかからないでセットアップできるだろう。通信の仕様には、Bluetooth Ver.2.1+EDR(Class 2)を採用している。したがって、ひと世代前のスマートフォンでも利用できる。ちなみにスピーカー1台でも、スマートフォンとBluetoothでペアリングして音楽を鳴らすことが可能だ。
音楽を再生してみると、小さいのによく鳴る。音量で物足りなさを感じることはなさそうだ。音質は軽めの印象。さすがにズシン、と響くような重低音は期待できないが、ポップスやロックを聞くには最適だと思われる。スピーカーの角度をずらすと、聞こえ方も変化する。ためしに、仕事机のまわりに2台のスピーカーを配置し、音楽が最もよく聞こえるスポットをいつも座っている椅子のあたりに調整してみた。うまく配置できると、音の聞こえ方が何倍にも良くなる。これが一種の快感だった。使用前は「2台のスピーカーで音がずれてしまうのではないか」などと素人考えで心配していたが、それは杞憂に終わった。
* * *
家電量販店を訪れると、販売されているモバイルスピーカーの種類の豊富さに驚く。市場が成熟しつつある証拠だろう。ただ、多くの製品は「コンパクトさ」の代償として、左右のスピーカーを接近させざるを得なくなっている。このため、平板な音しか再生できない製品も少なくない。本製品では、ワイヤレス技術によりこの問題を払拭していた。実際に音楽を聞いてみると、再生される音に臨場感を感じることができた。「これまでいくつかモバイルスピーカーを試してみたけど、満足できなかった」という人におすすめしたい製品だ。