富士通は4日、「GRANNOTE」(LIFEBOOK AH/90P)と「LIFEBOOK TH90/P」の発表会を東京都内で開催した。GRANNOTEは"大人世代"のための上質なノートPC、LIFEBOOK TH90/Pは水平方向に液晶画面を回転してタブレットに変形する2in1 Ultrabook。ともに、この春から新たに投入されたラインナップだ。
PCリテラシーの高い"大人世代"に向けた「GRANNOTE」
同社のユビキタスビジネス戦略本部 パーソナルプロダクト統括部 統括部長 永田泰三氏は、製品説明を「GRANNOTE」からスタートした。説明に割いた時間もGRANNOTEのほうが長かったように思う。
さて、富士通といえば、Windows 95の時代に高倉健さんやタッチおじさんをイメージキャラクターとして押し出し、やがてシニア向けに「らくらくパソコン」をヒットさせたメーカーだ。そして今なお、「初心者に優しい」イメージが強い。
その同社が、もはや「シニア=PC使い方がまったくわからない人たち」という時代ではないとして、送り出したのが「GRANNOTE」だ。もちろん、GRANNOTEを出したからといって、初心者向けのサービスへの力を緩めるわけではないが、「PCリテラシーの高い大人世代」という新しいターゲット層を狙って、製品を開発・リリースした意義は大きい。
GRANNOTEのターゲットである"大人世代"の具体的な年齢層は55~65歳。同社の調査によると、PCやネットの利用率は高く、もっとうまく活用したいと考えている。ありきたりな物(デザイン)は嫌いといったこだわりがある一方で、PCを長時間使いたいが疲れやすくなってきたという悩みを抱えている。
同社はこのようなターゲット層のニーズを満たすため、「人生を豊かにするサービス」「使いやすい&疲れにくい」「満足させる感性品質」の三本柱をGRANNNOTEが提供するものとして定めた。
とくに注目したいのは「使いやすい&疲れにくい」を実現するために盛り込まれた「ヒューマンセントリックテクノロジー」と呼ばれる技術群だ。キーボードは、3mmのストロークや18.4mmのピッチを確保しただけでなく、指に応じてキーの押下圧を三段階に分けるといったこだわりよう。ディスプレイは使用場所の光に応じて色味や輝度を自動調節してくれる。また、加齢によって変化する色や音の感じ方には、青みを調節したり、高音域を強調して対応する。"物"としての完成度も高く、心地よく使える上質さがあると感じられた。