シャープは2月4日、2014年3月期の第3四半期連結業績(2013年10月1日~2013年12月31日)を発表した。売上高は前年同期比21%増の2兆1,572億円、営業利益は同2,477億円増の814億円、経常利益は同2,366億円増の375億円、四半期純利益が同4,420億円増の177億円(全て第1四半期から第3四半期の累計期間のもの)と、各段階損益ともに大幅な赤字から黒字に転化した。

連結業績(日本基準に基づく。第1~第3四半期累計ベース。△は損失)
2013年3月期第3四半期 2014年3月期第3四半期 前年度比
売上高 1兆7,824億5,500万円 2兆1,572億8,700万円 +21%
営業利益 △1,662億3,200万円 814億7,200万円
経常利益 △1,991億1,200万円 375億7,200万円
四半期純利益 △4,243億4,700万円 177億7,200万円

部門別には、プロダクトビジネスが前年同期比15.8%増の1兆3,059億円、デバイスビジネスが30%増の8,513億円と、いずれの部門においても売上高が大幅に回復。

プロダクトビジネス部門においては、米国や欧州で液晶テレビの販売が低迷した一方で、日本国内では堅調に推移するとともに、中国や新興国市場が伸長。海外メーカーとの競争が激化した携帯電話の売上が前年同期を下回るものの、液晶テレビと携帯電話を合わせたデジタル情報家電事業では、前年同期比2.1%増となる5,515億円の売上高を計上した。また、日本国内で住宅用やメガソーラーの販売が大幅に伸長した太陽電池事業では、前年同期比85.8%増となる2,768億円の売上高を計上。そのほか、エアコンや空気清浄機の販売が好調に推移した健康・環境事業では前年同期比5.3%増となる2,419億円の売上高を、カラー複合機が堅調に推移し、また米国でインフォメーションディスプレイが伸長したビジネスソリューション事業では前年同期比13%増となる2,355億円の売上高をそれぞれ計上している。

デバイスビジネス部門においては、スマートフォンやタブレット端末向けの中小型液晶パネル、テレビ向けの大型液晶パネルが好調だった液晶事業が、前年同期比30.6%となる6,222億円の売上高を計上。スマートフォン向けカメラモジュールやセンサー、LEDを製造する電子デバイス事業も販売が伸長し、前年同期比28.5%増となる2,290億円の売上高を計上した。

部門・事業別の売上高

部門・事業別の営業利益

さらに、減価償却費や人件費などを減少させ、設備投資を抑制したことで、前年同期比976億円の固定費削減を実現。これにより、各事業において営業損益が大きく改善している。

営業外損益項目や特別損益項目では、支払利息が前年同期比で21億円、その他で66億円増加したため、営業外損益がわずかながらも悪化した。一方で特別損益は、前事業年度は事業構造改革費用を計上して大きくマイナスに陥っていたものの、当事業年度においては第2四半期に固定資産売却益(29億円)や投資有価証券売却益(15億円)を計上。これにより四半期純利益が大きく改善している。

固定費削減などの取り組み

営業外損益項目および特別損益項目、法人税等