海外報道によれば、米Appleは次期iOS 8において、モバイルヘルスケアやフィットネス関連の機能を前面に推しだしてくる可能性があると説明している。これはまた、長らく噂されている同社の腕時計型デバイスとの連動も想定したものであり、関連ハードウェアの発表も示唆されている。
同件は9 to 5 Macが関係者の話として1月31日(米国時間)に報じている。それによれば、Appleはモバイルヘルスケアやフィットネスの世界に新たな展望を見いだしており、今年2014年にリリースが見込まれるiOSの新バージョンにおいて、これら追跡機能を主要機能として組み込んでいく計画だという。また同時に、「iWatch」などの名称で呼ばれる腕時計型デバイスについても、必要な各種センサーを組み込んだ形で登場することになると説明されており、一連の動きが連動したものであることが想定される。
なお、AppleがiOS 8で組み込むとされている健康管理アプリの開発コード名は「Healthbook」となっており、歩数計やカロリー燃焼、血圧や心拍数などの記録を複数管理できるようになっており、ちょうどヘルスケア版Passbookといった体裁のようだ。
とはいえ、これら情報は驚くべきものではなく、現状判明している範囲の情報で十分予測可能なものだ。例えば、ウェアラブル関連の人材を数年前からAppleが集めていることは広く知られており、特にiWatchの噂が出た直後には、Nike FuelBandの開発者がAppleに移籍したことがニュースとして報じられている。これだけを見ても、Appleが腕時計型デバイスなどウェアラブル製品にフィットネス関連の機能を盛り込もうとしていることは容易に想像できる。
また、同社は「M7」と呼ばれる新型コプロセッサをiPhone 5s発表のタイミングで公表している。M7は「ARM Cortex-M3」がベースになっているといわれ、メインのA7プロセッサとは独立して歩数計などのセンサー情報をバックグラウンドでカウントするために用いられている。
だが、M7が用意された本来の目的はこうした用途というよりもむしろ、「ウェアラブル製品に組み込むためのプロセッサを別途用意する」ことにあるという推測が当初からなされている。その意味で、iOS 8で標準アプリやインターフェイスが用意され、さらにそれを補助する外部センサーとしての「iWatch」が登場すれば、過去の伏線がすべてつながって現れるというわけだ。