多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることもありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「Bluetooth経由でiPhoneへ写真を転送できる?」という質問に答えます。
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Bluetoothを利用したファイル転送は、それほどスピードは出ないものの、モバイル回線やWi-Fiを必要としないメリットがあります。基地局やアクセスポイントを必要としませんから、山間部へキャンプに出かけたときなど「圏外」から抜け出せない状況でも、写真を他の端末に転送できます。
Android OSはBluetoothをサポートしているので、Android端末間で写真などのファイルをやり取りできます。事前準備として通信相手を登録する手続き(ペアリング)は必須となりますが、アプリを使わずOS標準の機能で対応できることがポイントです。
Bluetoothでは、扱うデータの種類や用途に応じた通信手続きの規格(プロファイル)を定めており、ファイル転送には「FTP」が利用されます。FTPプロファイルは多くのBluetooth対応デバイスにサポートされているため、ハード/ソフトの違いに関係なくファイル転送できるのです。
しかし、iPhoneやiPadで利用されている「iOS」は、Bluetoothに対応しているもののFTPプロファイルをサポートしません。オーディオ出力に利用される「A2DP」やキーボード接続用の「HID」といったプロファイルはサポートされるため、Android端末と同じ使い方ができますが、ファイル転送には対応しないのです。だから、Bluetooth経由でAndroid端末からiPhoneへ写真を転送することはできません。
なお、Bluetooth経由のファイル転送をサポートするiOSアプリも存在しますが、それはiOSデバイス間でなければ利用できません。iOSでは「Game Kit」という開発フレームワークによりピア・ツー・ピア通信(Bluetooth/Wi-Fi)を実現しますが、Game Kitに対応したデバイス、すなわちiOSデバイス以外との通信をサポートしないからです。Bluetoothによるファイル転送をうたうiOSアプリがあったとしても、それは前述したFTPプロファイルとは似て非なる機能によるものです。
(記事提供: AndroWire編集部)