『おろち』『洗礼』『まことちゃん』などで知られる恐怖漫画の巨匠・楳図かずおが77歳にして初の長編映画監督を務めるホラー映画『マザー』(9月27日公開)で、元・宝塚歌劇団雪組トップ娘役の舞羽美海(まいはねみみ)がヒロイン役を演じることが31日、明らかになった。
同映画は、漫画家・楳図かずおのもとに、ある出版社から彼の生い立ちを本にしたいという話が舞い込むところからストーリーが始まる。担当編集者の若草さくらは取材をするうちに、楳図独特の創作の原点には、なくなった母・イチエの影響が大きいことを知る。やがて、死んだはずの母の怨念が、楳図とさくらの周りで底知れぬ恐怖の怪奇現象を巻き起こし始めて…。
主人公・楳図かずおを演じるのは歌舞伎俳優の片岡愛之助で、ヒロインの若草さくらを舞羽美海、かずおの母・楳図イチエを女優の真行寺君枝が演じる。若草さくらは、主人公を助け、謎の怪奇現象に立ち向かう生命力あふれる女性で、オーディションにより多数の候補者の中から楳図監督自身が選び、舞羽に決定した。
退団後初のヒロイン役に挑む舞羽は「ホラーは実は苦手だったのですが、このお話が決まり、楳図先生の様々な漫画を読ませていただき、その独特の世界観に圧倒されました。監督作品に出演させていただいたことを光栄に思います」と喜びを表現。また、作品について「人間の深層心理が描かれていて、単純なホラーではない、奥深い作品。今まで楳図作品を読んだことがなかった方も、新たに読みたくなるような面白い映画になっていると思います。タイトルにもこめられた主人公の母への思い、周りの人々への愛というテーマを大切に演じました」と語った。
舞羽は、2007年に宝塚歌劇団に第93期生として入団し、2011年に雪組主演娘役に就任。2012年東京宝塚劇場『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に―』千秋楽をもって退団し、その後、女優として舞台やドラマ、映画などに出演。2月7日~16日には、大阪松竹座で開催される『道頓堀喜劇祭り』で初の喜劇にも挑む。
なお、『マザー』の撮影は2013年11月13日に高尾・楳図邸にてクラインクインし、千葉県松戸、静岡県御殿場、沼津ロケを経て、11月下旬にクランクアップした。