JALは30日、2012年7月から国際線で展開している機内インターネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」を、国内線に2014年7月に導入すると発表した。国内線では初の機内Wi-Fiサービスの導入となる。米gogo社の衛星接続サービスをWAN側で利用し、30分400円の「時間制プラン」と、搭乗路線や利用機器により料金が異なる「フライトプラン」を用意する。
同社による国内線への「JAL SKY Wi-Fi」導入自体は、2013年10月に発表済みだが、サービス詳細は2014年1月下旬に公開となっていた。JAL国際線では、ビジネスクラスへのフルフラット型座席導入など、居住性・機能性を進化させた新仕様機「SKY SUITE 777」や「SKY SUITE 767」を既に導入済みだ。同社では、本革仕様のシートや、四季を感じさせるLED照明の採用など、快適性を向上させる機内インテリアや新サービスを備えた新仕様機を、「JAL SKY NEXT」として国内線でも提供する。
機内インターネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」の導入はこの施策の一環。同様のサービスは、ANAの国際線でも2012年に発表されているが、まだ実サービス開始には至っていない。同社は他社に先駆けた本サービスの国内導入を、「JAL SKY NEXT」のスローガン"ひとつ先のスタンダード"としてアピールする。
今回都内で開催された「JAL SKY NEXT」発表会では、JAL代表取締役の植木義晴社長や、JAL執行役員 顧客マーケティング本部長の加藤淳氏ら関係者が登壇。また、ゲストにジャニーズ事務所のアイドルグループ「嵐」の大野智さんが登場し、会場に設営された機内シートに座りながら登場。「本革のシートは包み込まれるような座り心地だった」と笑顔でコメントした。
JAL代表取締役の植木義晴社長は、「『一つ先のスタンダード』を共通のテーマに、ユーザーの要望や提案に応えるべく、一丸となってサービスを開発してきた」とコメント。今回導入する「JAL SKY Wi-Fi」は、機内での過ごしかたの選択肢を広めるもの。「今後もユーザー視点で"Welcom New Sky"をアクションスローガンに進めていきたい」と挨拶した。
国内線「JAL SKY Wi-Fi」のサービス詳細は、JAL執行役員 顧客マーケティング本部長の加藤淳氏が解説。
「JAL SKY Wi-Fi」を含む「JAL SKY NEXT」の導入は、機内シートやgogo社のサーバの設置など、順次新仕様機に変更していく形で行われる。具体的な就航日や就航路線は未定だが、就航時期は2014年7月以降を予定。通信網は、米国ではビジネスジェット2,000機を含む6,500機にサービスを展開する、米gogo社による衛星接続サービスを使用する。
「JAL SKY NEXT」の対象機材は以下の計77機。
- 国内線ボーイング777-200/-300型機
- 国内線ボーイング767-300/-300ER型機
- 国内線ボーイング737-800型機
料金体系は、冒頭の通り30分400円の「時間制プラン」と、搭乗路線や利用機器により料金が異なる「フライトプラン」を用意する。時間制プランでは、路線や利用機器にかかわらず、料金は一律だ。
フライトプランの料金では、利用機器がスマートフォンの場合、450マイル以下/451-650マイルで500円、651マイル以上で700円。また、タブレット/ノートPCの場合、450マイル以下で500円、451-650マイルで700円、651マイル以上で1,200円。
支払いはいずれもクレジットカードのみで、機内専用ページからプランを選択し購入する形。PC/タブレットやスマートフォンなど、ユーザー側の利用機器はサービスを提供するgogo社のサーバで自動判別される。なお、会場説明員によると、通信速度は「一概には言えない。ネットサービスを何に使うかで変わってくる」とのことだった。
提供コンテンツは同社ホームページで閲覧できるもののほか、JTBパブリッシングと協力し、到着地の観光情報やクーポン、スポーツやグルメ、アニメなどの情報を閲覧できるポータルサイト「SKYるるぶ」も用意する。こちらは有料コンテンツも準備される予定。
加藤氏は、「従来は機内では音楽番組や前方スクリーンのみだったが、飛行中の機内でもタブレットやPCなどWi-Fi搭載端末でメール受信やWebブラウジングなどが可能になり、新たな機内の過ごし方が楽しめる。今後、導入路線も順次拡大していく」と展望を語った。