熊本県熊本市の「慈恵病院」はこのほど、日本テレビの「明日、ママがいない」に関する見解をまとめたページを同病院オフィシャルサイト内に設け、公開した。同病院は、匿名で赤ちゃんを預かる窓口「こうのとりのゆりかご」を設置している。
同ページによると、放送前から全国児童養護施設協議会が内容を問題視し、12月に内容変更の申し入れをしていたにも関わらず第1回が放送されたとのこと。第1回放送分で、施設の子供が学校などで「ポスト」「ロッカー」などのあだ名でからかわれることについて、「被害を受ける子どもの存在が懸念されます」とコメント。さらに、グループホーム施設長がグループホームの子供たちを犬扱いするシーンに対しても、「グループホームに対する不信感が生じれば、虐待した親が子どもの入所に反対する口実にされるのではと心配する関係者もいます」としている。
結果、「あだ名の設定や現実とかけ離れた虐待シーンが与える影響に対する危機感が大きい」と判断し、放送中止の要請に至ったという。
そうした中で、「(病院の)売名行為では? 」といった声も寄せられたというが、それに関しては、「民間の中小病院にとって、今回のような行動は大きなリスクを伴います。経営面から考えると、テレビ局には何も申し上げない方が良いとも思います」とコメント。今後に関しては、「1月27日には日本テレビによる放送継続の意向が表明され、施設のお子さん方が傷つくようなあだ名が連発されはしないかと心配でなりません」と放送内容を危惧。一方で、「もしかするとテレビ局の方々が修正なさったものを放送してくださり、それが大きく問題にならない方向へ転換されるのではないか」との期待も寄せている。