東京都新宿にある「全力居酒屋モノノフ家」。こちらの看板が目印。「★」の部分を脱退した早見あかりのイメージカラーである青色にするというニクい演出も |
新宿にはモノノフ(「ももいろクローバーZ」のファンを指す)が夜な夜な集まる居酒屋があるという……。2013年4月のオープンで、まだ1年も経っていないにも関わらず、モノノフの間ではかなり話題になっている。しかもその店はスタッフまでがモノノフで、連日ももクロトークで盛り上がりまくっているらしいのだ。そんな噂の真相を確かめるべく「全力居酒屋モノノフ家」に行ってみた。
店内はももクロ一色!
モノノフ家は新宿アルタの裏手にあり、新宿駅東口から徒歩1分とかなりの好立地。看板はももクロメンバーのイメージカラーで彩られており、一目見ただけで普通の居酒屋ではないことがわかる。
外観だけでも、ももクロへの愛情が伝わってくるが店内はどうなっているのだろう。早速中に入ってみることに。そこで目に飛び込んで来たのは……ももクログッズ! ももクロを描いた大きな絵!! 推しメンの色のTシャツを着たスタッフ!!!
こ、こんなにも店内すべてがももクロ一色だとは……。これはモノノフにはたまらない空間なのではないだろうか。「ここにあるグッズはすべて、お客さんやスタッフが持ち寄ったものなんですよ。これからもどんどん増やすつもりです(笑)」と語るのはモノノフ家店主である"部長"さん。お客さんとスタッフが総出で店づくりをしているのだ。
メンバーの誕生日には2万円の特製ケーキも!
しかし、なぜももクロと居酒屋をコラボレーションさせたのだろうか。「僕は居酒屋を展開している名古屋の会社に勤めてるんですけど、このモノノフ家がある場所は、もともとウチが所有する別の居酒屋だったんです。それで、僕が前からモノノフだったこともあって『どうしても、ももクロの居酒屋を作りたい! 』と訴えて、この場所を譲り受けたんです。最初は会社の人間にも『正気か? 』とドン引きされちゃいましたけどね(笑)。本社での仕事もおろそかにしないことが約束だったので、今でも名古屋から新宿まで通ってるんですよ」。マジすか、部長さん。どんだけ気合い入ってるんだ、全力すぎる!
「とにかく、モノノフが集まって情報交換したり、コミュニティを広げられたりするお店を作りたかったんです。実際に隣のテーブルに座っているお客さん同士が仲良くなることもあるんですよ。男女比としては男性が少し多いですけど、年齢層はバラバラ。いろんな人と、ももクロをキッカケに話をできるので楽しいと思います」。
そんなモノノフ家だが、特にメンバーの誕生日はお店がスゴイ状態になるのだとか。「お店全体で祝うので、もうお祭り状態。あるお客さんがメンバーの似顔絵が描かれた2万円ぐらいする大きなケーキを持って来て、みんなで食べたり。お店からも誕生日のメンバーにちなんだ品、例えば夏菜子は静岡出身なので、静岡のお茶をお客さんにプレゼントしたり。大きいライブがある日なんかは、北海道から沖縄まで各地のモノノフがここに集結しますしね」。普段でも平均すると1日に70~80人来店するそう。居酒屋である前に、モノノフの交流の場でもあるのだ。
見て楽しい料理は味も絶品
しかし、言っちゃなんだが、こういったイロモノ的なコンセプト居酒屋は料理の味が微妙なのが世の常。「そう思われてしまいがちですが、ウチは料理にもかなり力を入れてますよ。僕はもともと別の居酒屋で料理を担当していたので、まずいものをお客さんに提供したくないんです」。
部長さんが名古屋出身なので、「手羽先唐揚げ」(480円)や「名古屋味噌どて煮」(580円)といった本格的な名古屋メニューも揃う。ドリンクも「ハングリーハングリーイエロー」(650円)や「リトルジャイアンツグリーン」(650円)など、各メンバーをイメージしたオリジナルカクテルが充実している。
「料理やデザートは各メンバーの口上が書かれたオリジナルの札で飾り付けたり、スタッフがももクロの曲の一部を歌って乾杯の音頭をとったり。常にそうやってお客さんを楽しませる努力もしていますね」。ただ料理やドリンクを提供するだけじゃない! どんなときでも、ももクロに寄り添っているのだ。
「僕自身がモノノフなんで、こういうお店をやれるだけですごく幸せ。モノノフから離れようとしているお客さんも、ここに来ると『やっぱりももクロっていいな』とおっしゃるのもうれしいです。この先もずっとモノノフ家をやっていければな、と思っています」。
しかし、スタッフが全員モノノフとなると、ライブの日でも誰かが涙をのんで働かなくてはいけないのでは……。「いや、ももクロのライブがある日はお店を休みにしちゃうこともあるので。で、スタッフ全員で見に行っちゃうんです(笑)」。うーわーーーー、ガチすぎる! ある意味、利益度外視じゃないか。全力居酒屋モノノフ家は、いつだってももクロを応援することに全力だったのだ!
(文・A4studio千葉雄樹)