約3年ぶりのモデルチェンジとなるシースルーモバイルビューア
エプソン販売(以下、エプソン)は1月28日、シースルーモバイルビューアの新製品「MOVERIO BT-200」、「MOVERIO BT-200AV」を発表した。4月24日より発売する。価格はオープンプライスで、エプソンダイレクトによる直販価格はBT-200が69,980円、BT-200AVが89,980円の予定。BT-200AVには、映像再生機とHDMI接続してコンテンツをBT-200へワイヤレス転送するミラーリングアダプタが同梱される。
BT-200は眼鏡型の両眼式ヘッドマウントディスプレイだ。この市場では、ビデオ視聴用に適した大画面・没入型の製品と、単眼軽量の小型ディスプレイで街中の補助情報表示を主とする製品に大きく分かれる。BT-200は、このどちらにも適合するという両眼タイプで、解像度はQHD(960×540ドット)だ。概要は別記事『エプソン、ヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO BT-200」を国内投入』を参照いただきたい。
エプソンは省・小・精の技術を得意としているとアピール。元々はウオッチ製造から始まっており、アナログクオーツウオッチもエプソンが初めて製造している |
デバイスセンサー類から省電力小型化、そして製造と、小型機器の下から上まですべて自社でまかなえる技術を持っている |
エプソンは3年ほど前に、前モデルとなるBT-100を発売していたが、当初から「お客様と、お客様にならなかった方々」からの改善要望があったという。「軽くしてほしい」、「輝度を上げてほしい」、「外部接続に対応してほしい」といった声が中心で、これらに応えるべく、今回のBT-200が開発された。
BT-200は、BT-100と同等の解像度だが、約1/3と大幅に軽量化(240→88g)、高輝度化(300→600カンデラ)された。度入り眼鏡ユーザーに考慮したレンズフレームが同梱されており、これにレンズを別途セットすれば、メガネなしでも使える配慮がなされている。冒頭のスピーチで平野氏が述べたように、プロジェクタ分野で国内トップシェア、かつ部品から製品まで一貫して製造できるエプソンの「小・省・精」の技術を活かして生まれたのが、このBT-200だ。
新製品の特長を説明したセイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 事業部長の渡辺潤一氏 |
エプソンが考える「スマートグラス」は、いわゆる情報を扱うスマートデバイスだけでなく、映像コンテンツを楽しむことや、シースルーを生かしたハンズフリー用途など幅広い |
特にシースルーはAR(拡張現実)と合わせて、情報表示や作業手順の説明など、業務スタイルを一新する能力を持っているという |
3年ほど前に発表された初代MOVERIO BT-100に対しては様々な意見があり、これらを解決したのがBT-200だという。主な改善点は軽量化、高輝度化、そして外部デバイスとの連携だ |
多くの接続先への対応に関しては、Miracast対応でスマートフォンの出力をそのまま見ることができるほか、BT-200AVではHDMI出力をMiracastで飛ばすワイヤレスミラーリングアダプタが同梱される |
スマートグラス的な使い方として、専用アプリマーケットが用意され、MOVERIOに対応したアプリが用意される予定 |
BT-200は、Android 4.0プラットフォームを採用している。MicroSDカードに保存したコンテンツやYouTubeなどの動画を再生できるほか、Miracastに対応しているため(認証は後日を予定)、別のスマートフォンやタブレットのコンテンツも再生可能だ。
ただし、スマートフォンとはハードウェア構成が異なるため、Google Playには対応しておらず、独自マーケット「MOVERIO Apps Market」のみ対応となっている(例えばジャイロ・加速度/角速度センサーは、ヘッドマウントディスプレイ部分とコントローラー部分の両方に入っている)。
発表会の時点では、4社6アプリが対応となっているが、開発者向けWebサイトでSDKを公開する。また、すでに日本Androidの会と共同でアプリ開発コンテスト(ハッカソン)を行い、さらに眼鏡の里として知られる福井県・鯖江市で電脳メガネコンテストも開催するという。これらの下支えによって、発売時に30アプリの公開を目標としている。
BT-200/BT-200AV対応アプリ例 | |
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提供企業 | アプリ名 |
国際航業 | NETMAP STORE |
楽天 | 楽天ゲートウェイ Kobo |
Quest-Com | マイクロロボットシューティング |
ヤフー | Yahoo!音声アシスト Yahoo!ブラウザー |