NTTドコモでは、2015年までの中期ビジョンとして「スマートライフのパートナー」の実現を掲げている。日常のあらゆるシーンで、利用者の生活をサポートする取り組みを拡充する方針だ。この理念の下、2013年12月17日には旅の総合サポートサービス「dトラベル」の提供が開始された。安心で快適な旅行プランを利用者に提案できるサービスになっているという。そこでマイナビニュース編集部では、NTTドコモ スマートライフビジネス本部 マーケットビジネス推進部長の前田義晃氏にサービスの詳しい内容について聞いてきた。

NTTドコモ スマートライフビジネス本部の前田義晃氏。「旅行は移動をともなうものですし、モバイルと親和性が高い分野です」と語る

―― まず、dトラベルを開始した経緯と狙いについて教えてください。インターネットを利用した宿泊予約サービスは、既に他社でも展開しています。言わば"成熟した市場"に参入する形になったわけですが。

私たちは"市場はまだ成熟していない"と捉えています。実際、国内における物販市場について、eコマースで流れているものは市場全体の5%に満たないと言われています。インターネットを介して能動的に商品やサービスを利用するお客様は、まだそれほど多くはないというのが現状なんです。裾野を広げる余地は充分に残っている。既にサービスを提供している会社さんは存在しますが、dトラベルでは他社さんにはない便利なもの、分かりやすく使いやすいサービスを提供していく考えです。

私自身、よく家族から「旅行に連れていって」とせがまれます。宿の予約はネットで行えます。でも、その後どのような場所を観光するかとなると困ってしまう。そこでdトラベルでは泊まる宿の予約、周る観光地の情報提供など、旅行に必要なアレコレをひとつのパッケージとして提供できないかと考えました。旅行の計画に慣れていない"初心者"の方にも、気軽に簡単に旅行を楽しんでいただけるサービスを目指しています。

―― サービスの特長について教えていただけますか。

dトラベルでは「癒やされたい」「美味しいものが食べたい」「家族で楽しみたい」など、8つの窓口から旅行プランが選べるようになっています。行きたい場所が決まっていなくても、目的がはっきりしていなくても、"どんな旅行がしたい"という曖昧な気持ちのままで旅行を計画することができるわけです。

dトラベルの利用イメージ(写真はPCサイトのもの)。気分や目的に沿った旅行プランが選べる。旅行をパッケージにして魅せることができるdトラベルならではの機能だ

一般的な旅行サービスでは、宿の予約がメインだと思います。ですが、dトラベルでは、旅行中に利用できる機能も充実しています。例えば「ドコモ地図ナビ」ではモデルコースを参照できます。また「旅のプラン(工程表)」を作成することもできます。旅のプランは、位置情報と時刻に合わせて更新されるものです。これらの機能により、旅行中も最適な時間の使い方ができます。観光スポットを周りきれなくなる、などの心配がなくなることでしょう。宿の予約から旅行中のナビゲーションまでシームレスにサポートできる、というのがdトラベルの大きな特長です。

サービスはマルチデバイス・マルチキャリアに対応しています。iPhone、ドコモスマートフォン・タブレットだけでなく、PCや他社の携帯電話・タブレットをお使いのお客様もご利用いただけます。

―― 旅行プランの品揃えが重要になってきますね。

旅行の商材をどれだけ用意できるか、という話になります。そこで今回、リーディングカンパニーであるJTBさんと組ませていただきました。JTBさんでは予約できる国内の宿泊施設が1万軒を超えていますし、かねてから旅行のパッケージも企画・提供されています。また観光地の情報を最新のものにアップデートする"メンテナンス力"も、非常に高い。これができるパートナーは、なかなかいません。JTBさんの協力により、私たちが構想しているサービスが今後どんどんと実現していけるでしょう。

ちなみに観光スポットの情報はJTBパブリッシングさんの「るるぶ」と、観光地の地図に関しては「ゼンリン」さんと協力しています。グルメスポットは「ぐるなび」さんから情報をいただいています。

―― 今後の展開について教えてください。

まず、決済についての選択肢が増えます。現在、宿泊費などは基本的に現地で支払う形をとっていますが、まもなくクレジットカードも利用できるようになります。また、携帯電話の決済にまとめられるようにもしたい。ただ、デジタルコンテンツを購入する場合に比べると、旅行は1回あたりの費用が大きくなりがちです。したがって、どこまで需要があるかは分かりません。お客様にご判断いただけるよう、決済方法の選択肢は増やしていく考えです。

今後は新幹線などの移動手段も絡めたパッケージを用意していく予定です。現地のオプショナルツアーにはじめから予約できるシステムも整えていきます。また、海外旅行の商材にも取り組んでいきます。現在、お客様に提示できるモデルコースは1000本を超えています。今後とも"いま最も旬なもの"を、タイムリーにご紹介していきたいと考えています。 ―― 最後に、利用者にメッセージをいただけますか。

ITリテラシーが高い方だけでなく、インターネットやスマートフォンの使い方に慣れていない、いわば初心者の方にも使いやすいサービスを目指しています。幅広い年齢層の方に、気軽に利用していただけたら幸いです。旅行好きの方にはもちろんのこと、旅行の計画を立てるのが億劫な方にもオススメです。ちなみにドコモのユーザー様であれば、ドコモポイントが利用できるメリットがあります。是非、多くの方に利用していただきたいです。

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ドコモではこれまでも「iコンシェル」などを通じて、ユーザーの属性や嗜好に合わせた情報を提供するサービスを展開してきた。これらのノウハウがdトラベルにも活かされているようだ。昨年12月中旬に始まったばかりのサービスということで、ユーザーに認知を広める広報活動にも力を入れている。その一環として展開されている「オープン記念キャンペーン」では、コストパフォーマンスに優れた"お得なプラン"が利用可能だ。興味をもった方は、まずdトラベルのサイトを覗いてみて欲しい。