日本法規情報はこのほど、モラル・ハラスメントに対する意識調査「モラル・ハラスメントの実態」について結果を公表した。
同調査は、同社が運営するサービスの運用情報やユーザーへのアンケートを元に調査したもの。調査期間は、1月22日~24日。調査人数は、845人(男性350人・女性495人)だった。
「なぜ自分は怒らせてしまうんだろう」と悩む人は全体の4割強
モラル・ハラスメントは、精神的な暴力、嫌がらせのことをいい、現在ではDVの1つとされるという。離婚原因となったり、社内トラブルの根底にある問題になったりするとして注目されてきているとのこと。モラル・ハラスメントの加害者の特徴としては、「自己愛的な人格」を持つとされ、普通の人なら罪悪感を持ってしまうような言動について罪悪感を持たない、責任を平気で他人に押し付ける、ささいなことで定期的に怒ることで、支配関係を形成する等の人格を持っているとされる。
一方で、被害者の特徴としては、几帳面な性格で、他者への配慮を働かせ、責任感が強い人格を持っており、自分を責めてしまう性格のため自分を「被害者である」と自覚することが少ないとされている。
まず、「なぜ、私は夫(もしくは妻)、上司・部下・同僚、親や友人を怒らせてしまうのだろう」「なぜ、私は夫(もしくは妻)、上司・部下・同僚、親や友人は自分を無視するのだろう」など、相手の言動を自分の責任と思い込み自分を責めたことがあるかアンケートを行った。
「なぜ、私は夫(もしくは妻)、上司・部下・同僚、親や友人を怒らせてしまうのだろうと思ったことがある」と回答した人が46%、「思ったことはない」と回答した人は30%にとどまった。「モラル・ハラスメントを理解できずどちらともいえない」との回答も24%あった。
「ささいなことで怒る支配的な人がいる」は4割を超える
自分を責めてしまうことがあると回答した人に対してまず、モラル・ハラスメントの加害者の特徴のひとつである「ささいなことで定期的に怒ることで、支配関係を形成する」について説明した上で、「あなたの周りに『ささいなことで怒る支配的なモラル・ハラスメントの加害者である』と思われるような人はいますか」という調査を行った。
調査の結果、「ささいなことで定期的に怒り支配関係を形成しようとするモラル・ハラスメントの加害者がいる」と回答した人は全体の43%。「そのような人間はいない」と回答した人は30%、「モラル・ハラスメントを理解できずどちらともいえない」と回答した人は27%という結果となった。
モラル・ハラスメントの被害者は、几帳面な性格で、他者への配慮を働かせ、責任感が強い人格を持つ。そして自分を責めてしまう性格のため、自分が被害者であることすら気付いていないことが多い傾向がある。同社では、モラル・ハラスメントの加害者にももちろん自覚は必要だが、まずは被害者についても「悪いのはあなたではない」と気付かせる必要性がある結果となったとしている。