京都市に本社を置き、電気自動車の開発・販売を行うグリーンロードモータース(GLM)は28日、東京都美術館にて、EVスポーツカー「トミーカイラ ZZ」を披露した。
GLMは2010年4月、京都大学発ベンチャーとして設立。京都が生んだスポーツカー・ブランド「トミーカイラ」を継承し、幻のスポーツカーと呼ばれる「トミーカイラ ZZ」をEVで復活させた。同車は1990年代後半、国内で206台を販売したが、保安基準の改正にともない、400台以上の受注を残して販売中止に至った経緯を持つ。
EVスポーツカー「トミーカイラ ZZ」、京都の職人が作った「芸術品」
EVスポーツカーとして復刻させるにあたり、トミーカイラ・デザインチームが再結成され、「光と影のコントラストを持ち、空気を切り裂き駆け抜けるようなカッティングエッジデザイン」に。車両重量850kgに対し、最大出力は225kW(305馬力)。0-100km加速は3.9秒で、「ガソリン車とは比べものにならないほどの発進時の加速感」を体感できるという。地面から277mmというヒップポイントの低さも特徴だ。
東京エリアで公開されるのは今回が初めて。会場となった東京都美術館では、新色パールホワイトのモデルが展示された。グリーンロードモータース代表取締役社長、小間裕康氏は同車を前に、「我々は非常に若いベンチャー企業ですが、この日本が誇る文化を継承し、最先端の技術にのせてこのクルマを世界で販売していきたい」と挨拶した。
小間氏によれば、京都はトミーカイラだけでなく、童夢やコジマエンジニアリングなどのメーカーを生んだ「スポーツカー文化発祥の地」だという。「京都にはスポーツカーを作る職人が集まっています。匠の技を持つ職人たちによって、走りを純粋に楽しめるスポーツカーに仕上がりました」と小間氏は述べ、同車を京都のスポーツカー職人がハンドメイドで作った「芸術品」と評価した。
EVスポーツカー「トミーカイラ ZZ」の価格は800万円(税別)で、限定生産台数は99台。第1期の販売予約は終了したが、今回の東京エリア初公開を受け、第2期の販売予約受付も開始予定だという。2月1日から、六本木のカーグッズセレクトショップ「Le Garage」(ル・ガラージュ)での展示も予定されている。