富士フイルムは1月28日、レンズ交換式カメラの新製品「FUJIFILM X-T1」の発表会を開催した。「最高峰の画質」を目指し、「画質と機動性を両立させたレンズ交換式カメラの決定版」(富士フイルム・中島成博社長)と自信を見せる。発売は2月15日で、価格はオープンプライスだが、店頭予想価格はボディ単体で15万円前後、「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」とのレンズキットが19万円前後。
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X-T1は、「信頼性(Trust)」と「堅牢性(Toughness)」の頭文字「T」を取って名付けられたカメラで、「キレ・ボケ・階調・色再現・高感度」という5つの観点から「最高峰の画質」(取締役執行役員 田中弘志 光学・電子映像事業部長)を目指したカメラで、レンズ、撮像素子、画像処理に関してはフラッグシップモデル「FUJIFILM X-Pro1」と同等ながら、S/N比の改善によって最高ISO感度をISO51200まで引き上げたほか、ホワイトバランスブラケット機能を搭載するなど、改善を図っている。高感度のノイズに関しては、X-T1のISO51200がX-Pro1のISO25600に相当するレベルに改善しているそうだ。
レンジファインダースタイルのX-Pro1に対して、X-T1はデジタル一眼レフと同等のスタイルとなり、約80カ所のシーリングを施したマグネシウムボディによる防塵防滴、-10度までの低温動作といったタフネス性能を備えたことで、より幅広いシーンで活躍できるとしており、撮影スタイルの違いによってX-Pro1とすみ分けを図っていく考え。また、ミラーレス機の市場が伸びていない欧米市場に対しても、一眼レフカメラスタイルの製品として訴求を図っていく意向で、すでに欧米での前評判も高く、市場の拡大を期待する。
X-Pro1は光学ファインダーとEVFを切り替えられる「ハイブリッドマルチビューファインダー」を搭載していたのに対し、X-T1はEVF(電子ビューファインダー)のみだが、表示タイムラグを0.005秒まで削減し、「リアルタイムビューファインダー」と表現。ファインダー倍率は0.77倍で、「デジタルカメラでは最大」とアピールする。
大きさを生かして、ファインダー内に2画面を表示する機能も搭載。全体を表示する画面と測距点を拡大表示した画面を同時に表示することで、構図や全体の状況を確認しながらピント合わせが行える。また、EVFの機能を生かし、縦位置撮影時にファインダー内の情報も回転表示することもできる。
起動時間0.5秒、撮影間隔0.5秒、シャッタータイムラグ0.05秒、AFは最速で0.08秒と高いパフォーマンスを実現。AFが追従しながら秒8コマの連写も可能となっている。こうした高速性能を発揮するため、SDカードの高速規格であるUHS-IIにデジカメとしては初めて対応。書き込み時間が1/2に短縮されたという。
操作性としては、Xシリーズで定評のあるダイヤルを採用。シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤル、レンズ側の絞りリングに加え、ISO感度もダイヤルで設定できるようになった。測光モードやドライブモードもダイヤルに配置し、電源を入れなくてもあらかじめ撮影設定を行ってから撮影できる。
モニターは3型・104万ドットのチルト式液晶で、上下方向に可動するため、さまざまなスタイルで撮影できる。