財務省は27日、2013年の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は11兆4,745億円の赤字となり、比較可能な1979年以降で過去最大となった。赤字額が10兆円を超えるのは初めてで、3年連続赤字となるのも初となる。
輸出額は前年比9.5%増の69兆7,877億円で、3年ぶりの増加。ただし、数量ベースでは同1.5%減と、3年連続で減少した。品目別では、自動車が同12.9%増、有機化合物が同38.8%増、鉱物性燃料が同49.9%増などとなった。
輸入額は前年比15.0%増の81兆2,622億円と、4年連続で増加し、過去最大の輸入額を更新。品目別では、原粗油が同16.3%増、液化天然ガスが同17.5%増、半導体等電子部品が同37.4%増などとなった。
地域別に見た場合、対米国は、輸出額が前年比15.6%増の12兆9,310億円、輸入額が同12.0%増の6兆8,113億円で、6兆1,198億円の黒字。黒字は2年連続で増加した。輸出品目では、自動車が同23.5%増、原動機が同17.8%増など、輸入品目では、原動機が同25.5%増、液化石油ガスが同183.7%増、石油製品が同54.3%増などとなった。
対EUは、輸出額が前年比7.7%増の7兆7億円、輸入額が同15.2%増の7兆6,494億円で、6,487億円の赤字。輸出額は2年ぶりに増加した。輸出品目では、自動車が同11.0%増、鉱物性燃料が同570.0%増など、輸入品目では、医薬品が同16.3%増、自動車が同19.3%増などとなった。
対アジアは、輸出額が前年比8.7%増の37兆8,759億円、輸入額が同14.9%増の35兆9,656億円で、1兆9,103億円の赤字。輸入額は過去最大となる。輸出品目では、有機化合物が同42.6%増、鉱物性燃料が同35.0%増など、輸入品目では、半導体等電子部品が同39.9%増、通信機が同27.9%増などとなった。
対中国は、輸出額が前年比9.7%増の12兆6,287億円、輸入額が同17.4%増の17兆6,502億円で、5兆215億円の赤字。赤字額は過去最大となる。輸出品目では、有機化合物が同55.2%増、科学光学機器が同19.5%増など、輸入品目では、通信機が同37.0%増、衣類・同付属品が同17.2%増などとなった。
同省は併せて、2013年12月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表。それによると、2013年12月の貿易収支は1兆3,021億円の赤字となり、12月として過去最大を更新した。赤字は18カ月連続。
輸出額は前年同月比15.3%増の6兆1,105億円で、10カ月連続の増加。輸入額は同24.7%増の7兆4,126億円で、14カ月連続の増加となった。地域別に見ると、対EU、対アジア、対中国の輸入額は12月として過去最大だった。