「肌の乾燥やかゆみを防ぐにはとにかく保湿。濃厚な美容液やクリームを塗っておけばお手入れは万全!」なんて思い込んでいないだろうか? もちろんスキンケアは大切だが、ちょっとした生活習慣の中にも、肌の乾燥・かゆみ・荒れの原因は潜んでいるのだ。
寒い冬は天然のクリーム(皮脂)が不足しがち
寒くなると、足のすねや二の腕、背中など、身体のあちこちがムズムズ、ガサガサ、かゆくてたまらない!ということはないだろうか? そうなるのは、皮膚の水分不足に加え外部刺激から肌を守るバリア機能が低下してしまうから。ちょっとした刺激にも敏感になり、かゆみを感じてしまうようになるのだ。
冬にバリア機能が低下しやすい理由
湿度がぐんと低くなると、肌の水分が奪われより乾燥しやすい状態になる。さらに、低い気温は肌細胞の新陳代謝を低下させてしまうので、肌が皮脂を作る力もダウン。バリア機能の要となる天然のクリーム(皮脂膜)が不足しがちになる。その結果、保湿するだけではなかなか乾燥や肌荒れが治まらず、冬の間中かゆみをずっと繰り返してしまうケースが増える、というわけなのだ。
肌老化は冬に加速する
乾燥を放置してしまうと、肌は厚く硬くなりシワも増えていく。慢性的な乾燥で肌の老化はぐっと進んでしまうので、寒い季節は肌トラブルが深刻化しないうちに、万全の乾燥対策を心がけて肌を守るようにしよう。
対策として、まずは生活習慣の見直しを。同時に、保湿・紫外線対策など、日ごろのケアを欠かさないようにしたい。
対策1)体の洗い方を見直すだけで保湿力は変わる!
ボディを洗う時は、ゴシゴシこすってはいけない。皮脂膜をとりすぎてしまう上、肌表面に細かい傷ができてしまい、そこから乾燥や肌荒れ、炎症などのトラブルが起こる可能性がある。顔の手入れと同じくらい、たっぷりの泡でやさしく洗うことは、ボディにとっても大切なのだ。
対策2)熱いお風呂での長湯は保湿力低下に! 肌がふやけない入浴を
熱いお湯には長湯しないようにする。入浴には、血行を良くして新陳代謝を高めるという利点もあるが、一方で熱いお湯に長時間浸かってしまうと、肌に必要な皮脂や天然の保湿因子まで流出させる原因になることもある。また、身体が温まるとかゆみを感じやすくもなる。冷え対策などで長風呂をする場合、入浴後にはいつも以上に保湿をしてあげることが肝心だ。
対策3)「化繊の暖か素材」は肌乾燥を促進させることも。肌着の見直しを
今のシーズン、暖か対策にフリース素材などの化学繊維は欠かせない。しかし、身につけていると乾燥して肌がガサガサになったことはないだろうか? それは化学繊維が皮脂をどんどん奪ってしまうことが原因だ。肌に何度もすれるような状態が続けば、かゆみやかぶれが起こることもある。
靴下、アンダーウエア、手袋、寝具など直接肌に触れるものは、素材にこだわるようにしよう。冬のお肌の乾燥を防ぐには、手袋の内側にウールやカシミヤなどを使用したものがオススメだ。
対策4)熱いお湯での洗い物は手荒れのもと! ぬるま湯洗いに
キッチンで洗い物・水仕事を毎日する人は、熱いお湯を使うのは避け、ゴム手袋をするか素手ならぬるま湯で洗うようにしよう。濡れたままにすると乾燥や冷えの原因になるので、水気はきちんとふき取るようにする。外出時はウールや革製の手袋で保護をしよう。寒さや乾燥から手を守ってあげることも大事だ。
対策5)意外と間違っている保湿クリームの使い方&使い分けを覚える
洗い物をした後や入浴後はすぐに保湿をする。手足は皮脂腺が少ないため、ハンドクリームなど油分を含んだ保湿クリームをていねいになじませておく。一方、ひじやひざなどがひどくカサカサしているようなら、尿素配合クリームがおすすめだ。手やかかとのひび割れは、外用薬などで早めの手当を心がけよう。