独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は23日、2013年年間のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況および相談状況を発表した。2013年1年間のウイルスの検出数は、2012年の249,940個より54,390個少ない195,550個。また、2013年の年間不正プログラム検出数は、2012年の423,226個から189,885個少ない233,341個だった。
年間検出数が最も多かったウイルスはW32/Mydoomで、2012年の131,714件から約12%増加した147,197件だった。第2位はW32/Netskyで33,183件。これらはいずれもメールの添付ファイルとして拡散する自己増殖型のウイルスとなる。
不正プログラム検出数はBancosが最多で、検出数は30,867個だった。直近2年間で高水準の検出数が続くこれらのウイルスや不正プログラムは、メールに添付されるものが多いため、ユーザー側は添付ファイルの開封に注意すると同時に、セキュリティソフトの適切な使用が効果的な感染防止策となる。
コンピュータ不正アクセスの2013年年間届出状況は168件で、2012年の121件から47件増加した。不正アクセスの被害内容別では、Webサイト改ざんが75件で最多。2013年にWebサイト改ざんが急増した理由として、同法人は、従来から存在する「ガンブラー」の手口、Webサイト上の脆弱性の悪用、簡単なFTPパスワードなどを推測して改ざんするなどの手口が組み合わされ巧妙化したためと推測している。
改ざんされたサイトの多くは、セキュリティ対策の不十分なPCで閲覧するとウイルスに感染するよう細工されており、ユーザーのPCを感染させることが目的とみられる。実際に被害を受けた届出の原因は、「ID・パスワード管理の不備」が12件(7%)m「古いバージョン使用・パッチ未導入などが」27件(17%)、「設定不備」が6件(4%)、「不明」が85件(54%)。同法人は、管理者のみならず、一般利用者も十分なセキュリティ対策をする必要があると説明している。
ウイルス・不正アクセス関連の相談総件数は、2012年の11,950件から約27%増加した15,227件となった。内訳は、「ワンクリック請求」に関する相談が3,287件、「偽セキュリティソフト等」に関する相談が889件、「スマートフォン」に関する相談が559件。ほか、2012年と比べ「インターネットバンキング」や「ランサムウェア」に関する相談が急増しているという。