米プリンストン大学の研究者らが発表した調査報告が話題になっている。それによれば、Facebookは今後数年内にも急速に利用者が減少し、2015~2017年にかけてピーク時のユーザー数の80%程度を失うことになるという。これはMySpaceなど過去のオンラインソーシャルネットワーク(OSN)サービスの興隆から衰退までをモデル化した計算式により、こうしたOSNのおおよそのトレンドがつかめるのだという。

同件はThe Guardianなどが報じている。またプリンストン大学の研究者らがまとめた調査報告書はWeb上でPDF形式で閲覧できる。「Epidemiological modeling of online social network dynamics」(オンラインソーシャルネットワーク(OSN)活動の流行学的モデル)の名称で論文形式に分析をまとめたのは米プリンストン大学の機械航空エンジニアリング部門のJohn Cannarella氏とJoshua Spechler氏。同氏らはOSNの勃興から衰退までを端的に示すモデルとしてMySpaceなどの事例を参考に、その推移を可視化し、今回のような推測を導き出したようだ。

2003年に誕生したMySpaceだが、2007~2008年に3億ユーザーでピークを迎え、その後2009~2011年にかけて減少を続けている。MySpaceとFacebookのユーザー数カーブが逆転したのが2008年のタイミングであり、それを機会にMySpaceの衰退が始まったといえるかもしれない。このレポートでは従来のトレンド分析に加え、Google Trend分析からFacebookの利用動向を調査している。これにより、上記のようなトレンド転換点が近付きつつあるという予測に結びついたとみられる。各国事情はともかく、世界的にみればFacebookの代用となるサービスがまだ登場していないなか、にわかにはすべてを信じにくい話だが、盛り上がるときは一瞬ともいえるSNSの世界で、その衰退もまた一瞬でやってくるのかもしれない。