富山地方鉄道は27日、富山軌道線(市内電車)で「レトロ電車」の運行を開始する。既存車両7000形を観光車両としてリニューアルし、水戸岡鋭治氏がデザインを手がけた。
同社によれば、「レトロ電車」の運行開始は、「富山市内軌道の開業100周年記念」(1913年9月、日本海側初の路面電車として開業)と、「新幹線開業に向けた路面電車の観光資源化」が目的。北陸新幹線開業を見据え、「アルプスエキスプレス」「ダブルデッカーエキスプレス」など観光列車の導入を進めており、「レトロ電車」を加えていっそうの観光客誘致につなげたいとしている。
車両リニューアルのコンセプトは、「昔の路面電車の面影を残す外観」「木材を使用した安らぎや温かみのある室内空間」で、同社の「アルプスエキスプレス」に続き、水戸岡氏がデザインを担当。1965(昭和40)年製の7000形のデザインを尊重した外観で、車内照明に昔の電車で実際に使用した灯具を用いた。
運行初日の1月27日には、南富山駅前にて発車式を開催。終了後に試乗会も行われ、南富山駅前~富山駅前間を往復する。「レトロ電車」は通常ダイヤの中で運用され、3系統(環状線)を除く1・2系統で平日12本(6往復)・休日24本(12往復)運行。通常運賃と同額(大人200円、こども100円)で乗車できる。「貸切運行も承ります」(富山地方鉄道)とのこと。